スマート乳酸菌に死菌タイプ 取り扱い容易に(2015.1.8)
丸善製薬㈱が製造販売する植物性乳酸菌「スマート乳酸菌」(登録商標)について、このほど死菌タイプが追加された。この乳酸菌の特長であるタンナーゼ産生機能は殺菌により期待できなくなるが、最終製品製造時の取り扱いが大きく容易になる。販売会社などからの強い要望もあり、同社が開発を進めていた。
スマート乳酸菌は、漬物から分離・同定したラクトバチルス・プランタラム22A‐3株を粉末化した丸善製薬独自のプロバイオティクス素材。これまで生菌タイプのみを販売しており、タンナーゼ産生能力によりポリフェノール類の体内吸収率と機能を高めるという働きを訴求し、乳酸菌市場で差別化を図っていた。
同社は死菌タイプのスマート乳酸菌の販売を早期に開始する方針。生菌タイプの課題としてあった、最終製品製造時に求められる厳重な菌管理の手間が大幅に解消されることから、「拡大する整腸効果市場に合わせて販売量を増やせる」と見ている。
スマート乳酸菌の機能性としては他にも、抗アレルギー機能、腸炎抑制機能を持つことが動物試験や細胞試験で確認されている。また、人を対象にしたボランティア試験では、排便トラブル改善などの整腸機能が示唆されている。このうち、抗アレルギー機能と腸炎抑制機能については死菌タイプのスマート乳酸菌でも認められており、同社では「タンナーゼ活性以外の機能は死菌でも残る」と話している。