アスタキサンチン、眼の疲れ改善を表示へ(2015.4.9)


 アスタキサンチンを機能性関与成分とし、「眼の疲れ改善」にかかわる表示を行う機能性表示食品の届出を、アスタキサンチン原料ブランド「アスタリール」を製造販売する富士化学工業㈱が行う。2製品について、今月上旬までを目途に届け出る計画だ。

 届出が受理されれば同社として販売していく予定だが、原料メーカーの同社がまずは届出を行うことで、原料供給先各社の届出をサポートするのが狙い。これにより原料の拡販にもつなげ、同原料ブランドの一層の市場浸透を図る。

 届け出る予定の2製品のうち一つは、機能性を説明する根拠を最終製品の臨床試験で確認したもの。もう一方は研究レビュー(システマティックレビュー)。レビューは同社が実施し、最終製品での臨床試験も含めて被験者はすべて日本人、かつ健常者。受理されれば供給先各社にレビューを活用してもらう。

 アスタキサンチンの機能性を巡っては、日本健康・栄養食品協会の平成26年度機能性評価事業の結果、「眼の疲れ改善(ピント調節機能)」について総合評価「A」(=機能性について明確で十分な根拠がある)を受けた。同社によれば、評価対象とされた査読付き論文のすべてがアスタリールを使ったもの。評価結果について同社は「当社が実施したシステマティックレビューの信頼性を高める」とし、届出受理に自信を見せている。

 同社ではアスタリールの眼疲労改善機能を検証するため、これまでにプラセボ対照二重盲検臨床試験を7件実施し、査読付き論文を発表してきた。今回の届出に当たっては、同社が以前行った、「パソコンなどの使用で眼のピント合わせのための調整力が低下した方に適する」旨の特定保健用食品の許可申請時に提出した資料を大きく活用。「トクホ申請を行ったことも(早い段階での届出できる)アドバンテージになった」という。

 アスタリールの眼疲労改善機能の作用機序については、眼のピント調整機能を改善し、眼の疲れを起こりにくくする働きが考察されている。これは、長時間のVDT作業などに伴う眼の筋肉の緊張状態を改善させるためだと考えられている。

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