新制度、世間の関心高く 〝見る目〟訴える論調も(2015.4.9)
新聞、テレビ、インターネット、雑誌が機能性表示食品をこぞって取り上げている。消費者認知度は今年3月中旬頃までの段階で1割を切るという調査結果も出ているが、その後も相次ぐ報道が認知度を押し上げている可能性がある。米ダイエタリーサプリメント市場拡大の背景には、マスコミの合従連衡が影響したという指摘もあり、機能性表示食品の販売スタート後に各メディアがどう取り上げていくかが注目される。
機能性表示食品制度を巡るメディア報道は、消費者庁がガイドライン案を公表した先月2日を境に急速に増え始めた。
新聞、テレビともに消費者団体の声や意見も拾いながらバランスに配慮した報道が目立つ。ただ、批判的な見方や懸念をことさらに強く打ち出す伝えぶりはあまり見られない。まずは新しい機能性表示制度の登場と、国内食品産業活性化の可能性に焦点を当てたといえそうだ。一方で、届出情報に重大な疑義が生じるなど問題が出てくれば、報道姿勢は一転する可能性が高い。
新聞では朝日がガイドライン案の発表と「第3の表示制度」の登場を3月3日付朝刊1面トップで扱った。制度スタート後は、日経や産経が大手企業の届出動向をいち早く報道し、届出が相次いでいる様子を伝えたほか、「新たな商機到来」という見出しで三ケ日ミカンなど生鮮食品の機能性表示を巡る動きを毎日が伝えた。
新制度に対する注目度の高さを裏付けるように、社説のテーマにもされている。毎日は4日付社説で、販売企業が適切に機能性を表示する責任の重さ、その監視体制構築とともに、消費者の「自覚も問われる」と指摘。愛媛新聞も、消費者は〝食と健康〟に対するリテラシーを高める必要性があるとした。
表示の妥当性を見極める努力を消費者側が行う必要性を指摘したのは雑誌「日経トレンディ」も同様だ。同誌は最新5月号で、食と健康を巡る「正しい選択眼」をテーマにした特集記事を掲載。サプリメントや特定保健用食品、一般用医薬品の選び方などともに、機能性表示食品の概要や想定される機能性表示などを細かく紹介した。