14年度のトクホ市場6135億円 日健栄協調べ(2015.4.9)
日本健康・栄養食品協会は1日、2014年度の特定保健用食品(トクホ)市場規模が推定で6135.1億円(メーカー希望小売価格ベース)と、前年比2.2%(140.1億円)減少したとの調査結果を発表した。同調査は2年ごとに実施していたが、今回から毎年調査に変更した。
調査は昨年12月末現在でトクホ許可を得た1140品(194社)を対象にアンケートを実施、うち1111品(179社)から回答を得た。売上見込みの詳細が得られなかったものは同協会が推定した。
保健用途別では、13年に過去最高を記録した「整腸」が同16.9%減の3156.1億円と2ケタ減少した。原因は「乳酸菌」が同19.3%減の2874.7億円だったためで、これ以外の「オリゴ糖」「食物繊維」は前年実績を20%前後上回り、「食物繊維」については過去最高を更新した。
メタボリックシンドローム関係は「コレステロール」が同2.8%減の218.1億円、「血圧」が同3.6%減の232.4億円、「血糖」が同12.8%減の154.0億円と減少。一方で、「中性脂肪・体脂肪」は同37.5%増の1931.7億円と大幅に伸び、過去最高だった2007年度の1606.0億円を上回った。体脂肪関係は炭酸や茶系飲料で新商品やヒット商品があり、トクホ市場全体をけん引している。
このほか「歯」は同5.9%増の288.6億円と07年以降続いた減少に歯止めがかかった。
販売経路別では「スーパー」が同1.5%増の2558億円、「コンビニ」が同10.8%増の984億円、「通信販売」が同34.7増の241億円と伸びた。一方、「ドラッグ・薬局」は同32.2%減の448億円と大幅減だった。
14年の新規許可件数は68品。保健用途別では「整腸」が17品、「血糖」が15品、「中性脂肪・体脂肪」が11品だった。
今後の市場見通しについて同協会は、昨年10月の指導要領等の通知改正で審査基準が明確化されたことや、規制改革会議で審査の合理化・迅速化が議論されていることから「今後、商品開発の新たなチャレンジがなされ、トクホ市場回復につながることを期待したい」とする一方、今月からスタートした機能性表示食品がトクホ市場にどのような影響が出るのか注目されるともしている。