シーベリーエキス 排尿障害対応新素材 オリザ油化(2015.5.7)


 サジーやシーバックホーンとも呼ばれるグミ科植物「シーベリー」を使った健康食品・化粧品原料をオリザ油化㈱(愛知県一宮市)が開発し、20日から都内で開催される展示会出展に合わせて上市する。食品向けでは前立腺肥大、過活動膀胱といった排尿トラブルに対する機能を訴求する。

 抽出エキス末と果実油をそれぞれ開発。食品向けのエキス末では水溶性粉末、ジュースも用意した。化粧品向けでは水溶性液体を開発し、同社の化粧品原料ブランド「コスメハーベスト」(登録商標)から発売する。

 健食用原料は、排尿トラブル対応で代表素材の一方で、価格高騰に見舞われているノコギリヤシ果実エキスの需要を取り込みたい考え。IPSS(国際前立腺肥大症状スコア)の有意な低下が予備的臨床試験で認められたほか、エキスと果実油の両方で前立腺肥大抑制傾向が動物試験で確認されている。

 また、膀胱平滑筋の収縮抑制作用も動物試験で確認。これにより、頻尿などの原因となる過活動膀胱の改善機能が示唆されることから、女性向け排尿障害対応食品への配合も促す。排尿トラブル対応素材はそもそもの種類が限られることもあり、新しい選択肢としても提案する。

 一方、化粧品原料では大気汚染物質や乾燥による皮膚刺激に対する保護作用を訴求。炎症を引き起こすプロスタグランジンを低下させる働きがあり、皮膚刺激による炎症を防ぐ働きが期待できるという。

 シーベリーの含有成分としては、脂肪酸▽植物ステロイド類▽カロテノイド▽フラボノイド▽ポリフェノール類などと多様だが、同社は京都薬科大学との共同研究で、トリテルペン類、フラボノイド類について実際に単離し構造を決定。このうち有効成分としてトリテルペン酸類とフラボノイドの一種であるイソラネムチンラムノシドを規格化。トリテルペン酸類には、同社らが今回世界で初めて発見し、シーベリーの学名に因み命名した成分「ヒッポファエリック・アシッド」も含む。

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