消費者相談2年連続増 14年度、消費者白書(2015.6.25)
政府は19日、2015年版の消費者白書を閣議決定した。2014年度に全国の消費生活センターなどに寄せられた消費者生活相談は前年度よりも約4千件多い約94.4万件で2年連続の増加。65歳以上の高齢者の相談件数は26.1万件。健康食品の送り付けに関する相談が減少したことが影響し前年度を下回ったが、それでも09年に比べ52.7%増加している。
販売購入形態別では「通信販売」に関する相談が33.6%(前年度は30.1%)に増加。特に65歳未満では4割を超えた。「通信販売」の相談増はインターネット通販に関する相談が伸びていることが原因。一方、65歳以上は「訪問販売」「電話勧誘販売」の合計が約34.2%と3分の1を占めた。
14年度の消費者相談の傾向としては、インターネットや情報通信関連の相談が増加していることを挙げた。遠隔操作によるプロバイダ変更のトラブルや、スマートフォンの普及でアダルトサイトなどデジタルコンテンツに関する相談や、プリペイドカードを悪用する新たな手口が増えている。
このほか、SF商法(催眠商法)の相談件数は1854件と06年の6356件から減少が続くが、平均支払額は約51万円で06年度の14万円より高額化している。美容医療に関する相談は2557件で3年連続の増加。問題勧誘や広告にはない高いコースを勧めるなどの相談がある。
また、今回の白書ではインターネットの発達などでグローバル化が進み、それに伴い輸入品や海外事業者に関する相談が増えていることを特集に取り上げた。ネットを通じた海外からの購入では偽物が届いたり、商品が届かないなどの被害が横行。14年度の相談数は偽物に関してが2760件、商品未着は1万5781件と、09年に比べいずれも6倍超となっている。国別では中国が最も多く、米国が続いた。