消費者庁板東長官 蹴脂粒「結論の段階でない」(2015.7.9)
消費者庁の板東久美子長官は8日の定例記者会見の中で、「特定保健用食品として認めることは適当でない」と消費者委員会が1日答申した、エノキタケ抽出物を関与成分にする「蹴脂茶」について、「審議経過などを精査し、遠からず判断を行う」と述べ、近く、トクホとして認めるか最終的な結論をまとめるとの方針を示すにとどめた。答申後では初めての会見だった。
また、同じ成分を機能性関与成分するため一部の消費者団体などが届出撤回を求めている機能性表示食品「蹴脂粒」については、「断定的な結論を申し上げる段階ではない」と強調。「蹴脂茶に係る検討を踏まえながら、最終的な取扱いを考えていきたい」「慎重に確認しながら検討していきたい」とこれまでの発言内容を繰り返した。
ほかに、「蹴脂茶」に対する判断を決定した後に「蹴脂粒」の対応を決めるかのという記者からの質問に対して板東長官は、「必然的にこれ(蹴脂茶に対する判断)によって機能性(蹴脂粒)の問題(に対する対応)が決まるわけではないというところもある」と言葉を濁し、明確な回答を避けた。
この日の会見では機能性表示食品制度を巡る質問が比較的多く、以前の会見でも尋ねられていた届出に対する疑義情報の取り扱いについては「一つひとつの判断を公表していくことは(他の制度と同様)ない」、届け出の撤回を届出者に求める場合については「一般論として、機能性や安全性の根拠が明確に否定されれば、届け出であれ、機能性表示食品の要件を欠くことになり、そのような場合は撤回勧告など、何らかの行政措置につながる場合はあり得ると思う」などと述べた。
また、これまでに寄せられた疑義情報について「個々(の商品)についての問題だけでなく、(制度の)運用の改善につなげていくものもあろうかと思う」と述べたほか、新制度の今後について「新しい制度としてスタートした。このやり方が未来永劫ではないと思う。発展し、改善すべきところは改善していかないといけない」とした。