天然タウリン 蝶理が拡販進める 安定供給体制整う(2015.7.23)


 30年前から牛胆汁由来タウリンを輸入販売している蝶理㈱が、製造元と連携し増産体制を整え、拡販に乗り出している。ここにきてエナジードリンクやサプリメントに配合したいニーズが増加傾向にあるという。

 同社が扱う牛胆汁由来タウリンの製造元はイタリアのPCA社。牛胆汁を原材料とする医薬品ウルソデオキシコール酸の製造販売大手で、その副産物から天然タウリン(タウリン抽出物)を製造している。天然タウリンの需要は事実上、日本市場に限定されているが、蝶理の要請を受けて増産に踏み切った。

 海外では化学合成品のタウリンが食品にも使える一方で、日本では食薬区分上、「専ら医薬」として扱われているため食品には使用できない。

 他方で、ほ乳類や魚類の臓器などから抽出された天然タウリンは、調味料として食品添加物リストに収載。また、タウリンは母乳にも含まれるため、日本国内乳業メーカー大手が製造する育児用ミルクの大半が天然タウリンを添加している。蝶理で長年、主に育児用ミルク向けの輸入販売を展開していた。

 PCA社が増産に乗り出したことを受け蝶理では現在、国内在庫を確保しつつ、トン単位の引き合いにも安定的に応えられる供給体制を構築。サプリメント向けに1㌔㌘単位の小分け販売にも対応している。

 それに加えて価格メリットも訴求。天然タウリンとしてはイカなど魚介類由来も存在するが、それと比べると同社の牛胆汁由来タウリンの価格は2割程度だという。

 「1年以上をかけてようやく安定供給体制を整えることができた」と同社。「あまり知られていないと感じるが、日本でも天然タウリンならば食品に使える。当社が扱うのはタウリン含量98.5%以上のもの。一般加工食品からサプリまで手軽に応用していただけると考えている」という。

 同社によれば、一昨年から昨年に掛けてエナジードリンク向けの引き合いが急増。サプリメント用途でも徐々に需要が増えていた。ただ、2012年末以降、牛胆汁由来タウリンの供給がひっ迫していたため、引き合いに応じきれていなかったという。

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