機能性表示食品 表示の幅でトクホ抜く(2015.9.10)
届出書類提出件数は300件を超えるのに対して受理は80件弱と、消費者庁による書類の形式確認に時間を要している機能性表示食品だが、これまでに受理された届出表示を見ると、「一時的な精神的ストレスを緩和する」などと、特定保健用食品では許可されようがないと一般的に考えられていたような機能性表示も目立つ。
そうした表示を別掲の表にまとめてみた。トクホ申請が行われたものの許可に時間が掛かっている肌(皮膚)に対する機能性表示は、保湿機能を中心に届出が進んでいる。ヒアルロン酸やグルコシルセラミドが機能性関与成分だ。今後、肌の弾力性や明るさなど、別の機能を訴求する届出が出てくるかどうかが注目される。
消費者需要の多いアイケア機能でも、ルテインを機能性関与成分にしたサプリメントを中心に届出受理が進んでいる。届出表示は、「視覚機能を維持する」「ピント調整機能を助ける」「光の刺激から目を保護する」などと幅広い。ただ、今のところ「目の疲れ」に言及する届出表示は受理されていない。今後ビルベリーエキスやアスタキサンチンでの届出受理が期待される。
ほかにも、睡眠の質の向上▽疲労感の軽減▽ヒザ関節の曲げ伸ばし▽緊張感の軽減▽便通改善▽ハウスダストなどによる目鼻の不快感軽減―などといった表示も受理されている。一定のエビデンスが求められていることは言うまでもないが、魅力的な機能表示を消費者に素早く、かつリーズナブルに提供できるという観点からは、機能性表示食品の価値はトクホを超えたといえそうだ。