〝疲労感〟受理相次ぐ 改善・軽減訴求で6品目(2015.9.24)
疲労感の軽減や改善を訴求する機能性表示食品の届出が相次いで受理されている。16日の届出状況更新で、眼の疲労感に言及するサプリメント3品目について届出情報の公開が始まった。先に受理されていた身体的な疲労感の軽減、深睡眠をもたらすことに伴う疲労感の軽減を訴求するサプリを合わせると、計6品目に拡大した。
疲労や疲れを巡る機能性を保健の用途とする特定保健用食品はこれまでのところ認められていない。許可申請自体は複数製品で行われた経緯はあるものの、とりわけ作用機序がネックになったといわれる。
疲労感に言及する機能性表示食品として16日の更新で新たに加わった関与成分は、ビルベリー由来アントシアニンとアスタキサンチンの2成分。これまでにアミノ酸の一種であるグリシン、鶏胸肉に多く含まれるイミダゾールジペプチド、還元型コエンザイムQ10の3成分が受理されていた。
疲労を巡り各届出表示が言及しているのはあくまでも〝疲労感〟で、疲労や疲れではない。一般的に疲労は自覚的症状として示されるもので、近年では例外も出てきたが、他覚的指標として疲労の度合いを示すのは困難とされる。業界関係者からは、「他覚的な指標に基づき効果が示されていると誤解されないよう、『感』を付けるように(消費者庁は)求めている」との見方も出ている。
疲労感といってもそれを感じる身体部位は様々だが、部位を直接的に言及する形でこれまでに受理されたのは「眼」のみで、関与成分はビルベリー由来アントシアニンとアスタキサンチン。また「日常生活で生じる身体的な疲労感」という総合的な身体的疲労感の軽減効果を訴求する表現がイミダゾールジペプチドと還元型CoQ10で受理されている。
一方、疲労に対する効能・効果を訴求する一般用医薬品も多い。日本OTC医薬品協会は今年3月、そうした医薬品の効果・効能表示と、機能性表示食品の機能表示が明確に区別されるよう消費者庁に要望。機能性表示食品の表示の一例として、「肉体の疲労の軽減に寄与」を示していた。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調べによれば、抗疲労市場の規模は2020年度までに「癒し」関連も含めて全体で推計12兆円、うちドリンク剤、健康食品・食品、漢方などで同2.2兆円規模への成長が予測されるという。