アイケア 機能性表示に移行着実 受理全体の1割超(2015.9.24)
消費者庁は16日と18日に機能性表示食品の届出状況を更新し、サプリメントを中心に7品目を新たに受理、うち3品目は目に対する機能性を表示するものだった。これによりアイケア機能を訴求する機能性表示食品は全体の1割を超える14品目に拡大、存在感が一層高まっている。新規受理品目では、「眼の疲労感」に言及する届出表示が初めて受理された。
16日の更新では、機能性関与成分としてビルベリー由来アントシアニンが再び登場した。4月に森下仁丹による届出が受理されていたものの、発売開始前に同社が自ら届出を撤回していた。
アイケア機能を訴求する機能性表示食品の関与成分は、これまでにルテインがけん引する形で受理件数を積み上げているが、ビルベリー由来アントシアニンは、アイケア健康食品市場で最大シェアを持つ成分。今回の受理を機に、届出が活発化する可能性がある。
同成分で受理されたのは、サプリメント「ブルーベリー&ルテイン」。通信販売大手ベルーナのグループ会社リフレが届け出たもので、同社では計画通り10月10日の『目の愛護デー』に合わせて機能性表示食品として新発売、これに併せて同日より新聞広告などを通じた販促活動も始める構えだ。
同品はルテインも関与成分とする。届出表示は「ビルベリー由来アントシアニンには眼の疲労感を改善する機能、ルテインには網膜の黄斑色素を増やすことで眼の黄斑部の健康を守る機能が報告されています」と、それぞれの関与成分の機能性を個別に表示する形のいわゆる「ダブル・ヘルスクレーム」を届け出て受理された。
複数の成分を関与成分とする届出はこれまでも受理されていたが、各関与成分の機能性をそれぞれ表示しようとする届出が受理されたのは初。届け出られた機能性の科学的根拠を見ても、関与成分それぞれの機能性について個別に研究レビュー(SR)で評価、それぞれを同時に届け出るという、これまでの受理商品には見られなかった新しい手法が採られた。レビューに基づき、商品パッケージ主要面には、「眼の疲労感の改善に」「黄斑色素を増やして目の黄斑部の健康を守る」と二つの機能性を表示する。
「眼の疲労感」に言及する表示も
16日の更新で追加されたアイケア成分にはアスタキサンチンもある。これまでに3品目で受理されていたが、今回届出番号を取得した商品の届出表示は「眼のピント調整機能を助けることと、パソコンなどによる眼の疲労感を軽減することに適しています」。以前の受理品目の届出表示は主に「ピント調整機能のサポート」を訴求するもので、「眼の疲労感の軽減」の表示が受理されるのは初となる。
今回新たに受理されたのは、富士化学工業が届け出たサプリメント「アスタリールi」。同社が製造販売するアスタキサンチンを機能性関与成分にしたもので、機能性の科学的根拠は最終商品の臨床試験で評価した。同社ではアスタキンサンチンのSRを機能性の科学的根拠とする届出も行っており、こちらの届出受理も待たれている。
16日の更新ではほかにも、ビルベリー由来アントシアニンを関与成分とし、「眼の調子を整える機能」を訴求するサプリメントが受理された。ルテインを関与成分にしたサプリに続く2商品目の届出番号取得となる八幡物産が届け出たもの。同品でも届出表示の一部に「目の疲労感」が盛り込まれている。
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16日と18日の機能性表示食品の届出状況更新では、富士フイルムとオリヒロプランデュによる届出が初めて受理されたことが分かった。富士ではサラシア由来サラシノールを機能性関与成分とし食事由来の糖の吸収を抑える機能性を訴求するサプリメント「メタバリアスリム」、オリヒロはヒアルロン酸Naが関与成分のサプリ「素肌うるおいヒアルロン酸」がそれぞれ受理された。
これにより届出受理総数は計93品目、来月中にも100品目の大台を超えるのはほぼ確実と見られる。
ヒアルロン酸については、16日の更新でファインが届け出たサプリも追加されており、同成分を関与成分にした機能性表示食品は計7品目に増えた。オリヒロ、ファインともに機能性の科学的根拠はキユーピーが実施した関与成分のSRを届け出ている。