美と健康特化の新型店舗 「マツキヨ ラボ」開始(2015.10.8)
これまで様々な業態の店舗を出店し、ドラッグストア業界に向けて新たな情報発信・顧客の取り込みを推し進めてきた㈱マツモトキヨシ。4年前に女性の〝健康と美〟を掲げた店舗「H&Bプレイス」を大阪に出店させ、それらニーズに対する検証を重ねてきたが、より美と健康への追究を重ねて完成させた次世代ヘルスケア事業「matsukiyo LAB」を併設させた千葉・新松戸駅前店を先月30日にリニューアル出店した。
「これまで当社は1990年代から様々な業態の店舗を出店させてきた。むしろ店舗を標準化させなかったことで、今後は色々なことが試せるだけの情報を持つことができた。今回の『マツキヨ ラボ』の併設はそのひとつ」(担当者)とし、保有する3800万人の顧客データを活用し新型店舗の出店につなげる。
新たな試みとなる「マツキヨ ラボ」は、常駐する薬剤師、管理栄養士、ビューティースペシャリストの専門スタッフが美と健康に関してアドバイスするもので、商品ブランドとサービスブランドの2軸で展開する。
商品では、同社管理栄養士が監修したサプリメント9品とスムージー3品を開発、用意した。ビタミンCやカルシウム、亜鉛などのサプリ9品のうち6品に、主成分の吸収をサポートする黒コショウ抽出物のバイオペリン(米国サビンサ社製)を配合させ差異化を図る。今月15日からはマツキヨ全店でも取り扱う。スムージーは食物繊維の難消化性デキストリンを主原料に飲みやすい味にした商品で、店内ではジューススタンドでの試飲も行っている。来春には葛の花やセラミドを配合させた新商品を投入する予定。
一方サービス面では、店内にオーダーメイドサプリを提供する「サプリメントバー」、肌状態を分析し最適な状態へ導くようアドバイスする「ビューティケアスタジオ」、血液検査や血圧測定、口腔内環境チェックなどのヘルスケアチェックを行う「ヘルスケアラウンジ」の3つのエリアを配置する。
サプリメントバーでは、専門スタッフが来店客に、日々の食生活を確認したうえで摂るべき栄養素を提示、摂取するサプリ1日分を個包装にして1回分から購入できるようにした。
同社では今後の同事業の展開について、「具体的な出店計画は決まっていないが、同店をモデルとして色々な策を検討していきたい」(同)とし、首都圏の駅前にある店舗などへの併設を含め5年で50店舗まで広げていきたい考えだ。
リニューアルした新松戸駅前店は、JR常磐線と武蔵野線が乗り入れる新松戸駅から徒歩1分の立地。それまでの華美なPOPなどを廃し、シックな色調に改装した。約141坪の奥行きのある店内には、OTC医薬品はじめ化粧品、日用品、食品・健康食品などが陳列されている。
【写真=管理栄養士が個別にアドバイスするサプリメントバー(左)、1回分から購入できるオーダーメイドサプリ(中)、シックな色調に全面改装したマツキヨ・新松戸駅前店(右)】