消費者庁が141項目の確認事項 機能性表示食品(2015.10.8)

東京都講習会

 消費者庁は、機能性表示食品の届出書の作成にあたり、記載事項の漏れや間違いがないかを届出事業者が確認するためのチェックシート「機能性表示食品の届出書作成に当たっての確認事項」を作成し公表した。同庁ホームページなどで公開している届出書の様式に基づいており、商品名や機能性関与成分など届出書全体に関わるものと各届出様式ごとの主な確認事項等があり、全部で141項目に及ぶ。

 機能性表示食品の届出に関して同庁は、制度発足直前の3月末に届出に関するガイドラインを公表。6月には届出書の記載漏れや記入ミスが多い個所を留意事項にまとめたほか、景品表示法も含めた広告等に関する留意点を公表した。

 今回の確認事項は、留意事項では分かりにくい、食経験などの安全性(届出様式Ⅱ)に関する部分や、製造や品質に関する情報(同Ⅲ)について、より詳細なチェック項目を設けた。また、留意事項では触れられていなかった生鮮食品のみに適用する「生産・採取・漁獲等を行う者の氏名や名称の記載」についてのチェック項目なども加えてある。

 一方、機能性の科学的根拠(同Ⅴなど)については、最終製品を用いた臨床試験か研究レビューであるかに分けて該当部分のチェック方法や記載条件などを説明し、分かりやすくしてある。

 また、表示事項では、表示見本と同じ記載がなされているか、届出者の登記内容と齟齬がないかといった、ミスしがちなものから、表示禁止事項では機能性関与成分以外の成分の強調や科学的根拠を超えたキャッチコピーやイラストを表示していないかのチェック項目を設けた。

 同庁食品表示企画課の担当官はこの記載事項について、「届出資料作成にあたり主な確認項目をまとめたもの。少しでも不備のない資料を作成し届出してほしい」と活用を促す。

 機能性表示食品は、4月の制度発足から半年後の9月末時点で受理件数が100件に満たない。届出書提出は300件を超えたとされる一方、差し戻されたとの声も相変わらず多く、受理伸び悩みの原因の一つに届出書の不備があることは間違いないといえる。

 今回の確認事項の活用で届出から受理までの期間が短縮されるかは定かではないが、新制度でほとんどの事業者にノウハウがない状況では、思わぬ記載漏れやミスが生じる可能性があり、それを防ぐ手段の一つとして活用できそうだ。

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