届出100品目超える 「認知」機能の表示も(2015.10.8)
機能性表示食品の届出総数が6日、100件を突破し、計101品目となった。消費者庁が同日午後、届出情報の更新を行い3品目が追加、9月30日にも更新し5品目が追加されていた。届出種類の提出件数は既に300件を超えており、届出番号を得られていない商品が大量に積み上がっている。ただ、制度施行から半年で100品目の大台には達した。
「記憶の精度を高める」
届出受理101番の商品は、表示しようとする機能性に「認知機能」を盛り込むサプリメントだった。機能性関与成分はイチョウ葉フラボノイド配糖体および同テルペンラクトンで、いわゆる「イチョウ葉エキス」。関与成分、機能ともに初の届出受理となる。届け出たのは、同品で受理7品目の大塚製薬。届出書によると、「ネイチャーメイド イチョウ葉」として、今月25日から販売を開始する予定だ。
表示する機能性は「イチョウ葉フラボノイド配糖体、イチョウ葉テルペンラクトンは、認知機能の一部である記憶(知覚・認識した物事の想起)の精度を高めることが報告されています」。表示は困難とも考えられていた「認知」の表現が通ったことに、業界から驚きの声があがっている。
同品は商品パッケージの主要面に「記憶の精度を高める」と表示する。また、1日摂取目安量当たりの関与成分含有量はフラボノイド配糖体26㍉㌘、テルペンラクトン6.48㍉㌘で、イチョウ葉エキスとしては108㍉㌘に相当するという。
この量は、イチョウ葉エキスの1日当たり摂取目安量と日本で一般的に考えられている120㍉㌘とそう変わらない。一方、同素材を取り扱う原料事業者によると、「機能性表示食品では240㍉㌘が必要だと考えられていた」といい、120㍉㌘以内の摂取試験が行われている文献を主にした研究レビュー(システマティックレビュー)をまとめてきたことに感嘆した。原料事業者が同素材のSRを本格化させる可能性がある。
関節対応で3成分目も
9月30日の更新ではDHCの初の届出受理が明らかになったほか、新しい機能性関与成分として、関節対応素材の非変性Ⅱ型コラーゲン(UC‐Ⅱ)が追加された。関節に対する機能性を訴求する関与成分は、グルコサミン塩酸塩、コラーゲンペプチドの届出受理以降、しばらく出ていなかった。さらなる増加が期待されそうだ。
UC‐Ⅱを関与成分にするサプリメントを届け出たのは、同素材の原料供給も行う龍泉堂で、同社としては初の受理。機能性の科学的根拠は関与成分のSRで評価しており、「非変性Ⅱ型コラーゲンには関節の柔軟性、可動性をサポートすることが報告されています」と表示する。届出受理を受けて同社では今後、このSRを活用したUC‐Ⅱの原料拡販に乗り出す構え。
そのほか、30日の更新ではDHAとEPAを関与成分として中性脂肪低下機能を訴求するフィッシュソーセージを届け出たマルハニチロが初の届出受理。また、6日の更新で、大麦など穀物加工食品メーカー「はくばく」の届出も初めて受理された。
【写真=ついに100品に達した機能性表示食品。ドラッグストアなどの店舗でもディスプレイ宣伝されるされるほどの品数が揃ってきた(10月2日、千葉県・松戸市のマツモトキヨシ新松戸駅前店)】