安全な摂取で留意点を整理 食安委WG案がまとまる(2015.11.26)

03食品安全委員会

 食品安全委員会は、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品を含む健康食品の安全な摂取を促す国民向けのメッセージを来月にも取りまとめる。同委の「いわゆる『健康食品』に関する検討ワーキンググループ」(脇昌子座長・静岡市立静岡病院副院長、以下WG)が25日の会合で案を作成、この日の議論を踏まえた修正を行ったうえで来月の同委にWG報告書案とともに提出する。

 WGのメッセージ案は、健康食品の安全性や品質、摂取者の状態や摂取目的、健康食品に関する情報などを19項目に整理。これは10月の前回会合での案から大きな変更はなく、書きぶりも国民に分かりやすく平易な言葉を用いている。

 メッセージ案は、健康食品の摂取は個人の価値判断だが、「食品」だからといって摂りすぎればリスクを負うこと、健康食品は薬の代わりにはならないことや、子どもや妊婦、高齢者の安全性は調べていないなど、健康食品の現状や基本について解説。さらに、健康食品の安全性や有効性に関する情報の見極め、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素は過剰摂取の恐れがあるため、医師や薬剤師、管理栄養士、アドバイザリースタッフなどの専門家のアドバイスを受けることを勧めた。

 一方、まとめに「『健康食品』と上手に付き合うために」という国民向けの留意事項を挙げた。具体的には①健康の保持・増進の基本は健全な食生活、適度な運動、休養・睡眠②健康食品を選択する前に今の自分に本当に必要かを考え、その際に信頼できる情報を入手するよう努めることが自身の健康を守るために大切③健康食品を購入・摂る場合はこのメッセージで述べられている点に注意して選択すること④効かないから増量することはリスクを上げる⑤健康食品で体調が悪くなった場合はすぐに摂取をやめる――の5点とした。

 脇座長は今回のメッセージ案について「健康食品がどういうもので、何に注視すべきかをまとめることができた。内容が広く認知され、健康食品に対する常識になってもらえれば」と、この内容がメッセージが国民に幅広く認知・活用され、商品選択に役立つことを期待した。

【写真=脇昌子座長(11月25日、東京・港区)】

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