セカンドオピニオン事業 監視指導の迅速化を強調(2016.6.9)
消費者庁の三上食品表示対策室長は、5月26日開催の機能性関与成分の取扱い等に関する検討会のなかで、今年度から新たに開始した健康食品の機能性等に係るセカンドオピニオン事業について、「予め専門家集団を作り、その中でスピーディな報告を頂き、それを監視指導に役立てていく」と述べ、迅速な執行が目的だと説明した。
セカンドオピニオン事業は、エビデンスのレビューとその情報を国民にフィードバックする2点が事業の柱。うちレビューについては、景品表示法の不実証広告規制に基づき、同庁の求めに応じて事業者が提出する広告表示の根拠情報が、合理的であるかを専門家がレビューし、それを踏まえて同庁が措置を判断する。
具体的には、セカンドオピニオンリーダー(責任者)を配置し、レビューを依頼する専門家の公正性の確認や専門家の組み合わせを作成。それに基づき臨床、医学、薬学、栄養、化学、食品の専門知識を持つ専門家に実施してもらう。同庁が事業の実施機関の公募にあたり提示した仕様書によれば、レビュー実施に当たっては最低2名の専門家を選定する。また、同庁のレビュー要請から報告までは概ね2週間としている。
同庁はこれまでも、案件ごとに個別に専門家に依頼していたが、同事業によりレビュー体制が組織化され、専門家の選定や依頼の時間短縮が図られることになる。
これ以外にも、同庁が選定した素材のレビューも実施する計画で、予算上のレビュー件数は「個別事案対応が30件、私ども自ら特定の素材についてセカンドオピニオンをお願いするものが30件」と説明した。なお、レビューの選定については「いろいろな情報に接した場合、私どもが調査・報告が必要がある場合というものについて選んでいく」と述べるにとどめ、詳細については調査上の影響もあるとして語らなかった。
一方、国民への情報提供については「出てきたデータは私どもだけで所有していたが、国立健康・栄養研究所のデータベースに、個人が特定されないようなかたちで流していくということを考えている」と説明した。