機能性タマネギ 露地野菜で初の届出か (2016.11.24)

機能性タマネギC_0006 修正

 三井物産㈱の機能性タマネギ「さらさらゴールド」が、機能性表示食品となる可能性が出てきた。同社は今年5月、ケルセチン配糖体を関与成分として消費者庁に届出申請を行っており、受理されれば、露地野菜として初となる見通しだ。

 「さらさらゴールド」は、㈱植物育種研究所が開発したタマネギ。ポリフェノールの一種であるケルセチンは、血流改善や血糖値の上昇を抑えるなど働きがあり、野菜の中でも特にタマネギの表皮に多く含まれている。

 植物育種研究所の代表取締役を務める岡本大作博士は、早くからタマネギに注目。約10年かけて品種改良、育種を行った。その結果、一般的にブランド品種とされる北見産や淡路産タマネギに比べて数倍~十倍もの高いケルセチン含有量を持つ品種の開発に成功した。

 農業・食品事業の強化に取り組む三井物産は早くからこの品種に注目。北海道北見地域の農家、地元農協、植物育種研究所と協力して、2014年秋から、北見地域の農家が生産を開始している。
 国内のタマネギ収穫量は約107万㌧で、うち北海道は約半数を生産。北見地域は北海道生産量の約4割を占めている。三井物産によると、今年は約390メトリック㌧の「さらさらゴールド」の生産を予定しているという。

 昨年の機能性表示食品制度導入以来、生鮮食品分野でも届出に向けた取り組みが活発化しているが、生鮮食品は成分管理などが難しいため、届出受理の件数は少ないのが現状。

 機能性表示食品のとして届出受理されているのは、15日時点で「三ヶ日みかん」(JAみっかび)、「大豆イソフラボン子大豆もやし」(㈱サラダコスモ)、「ベジフラボン」(同)、「小大豆もやし」(太子食品工業)、「とぴあみかん」(とぴあ浜松農協)の五つに止まる。「さらさらゴールド」の届出が受理されれば、露地もの野菜では初となる見通しだ。なお特許取得は難しい状況だ。

【写真=露地野菜で初の機能性表示食品となるか。「さらさらゴールド」】

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