PQQ、IC認証取得 原材料で国内初 三菱ガス化学(2018.3.22)


 国際的なサプリメントのアンチドーピング認証「インフォームドチョイス」(IC認証)で、日本市場では初となる原材料への認証が行われた。国内第1号の原材料認証を取得したのは、三菱ガス化学の「BioPQQ」(ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩)。IC認証を運用する英LGC社の日本総代理店バイオヘルスリサーチリミテッドと、同社が8日、それぞれ発表した。

 07年(日本は16年秋)にスタートしたIC認証は、バイオヘルス社によると、これまでに200以上のブランド、約1000製品が認証を取得している。一方、IC認証のウェブサイトによれば、原材料に関しては20ブランド程度とまだ少ない。その中に、日本製の原材料が初めて加わることになった。

 PQQは、認識能力や注意力など、脳の認知機能に対する有効性が確認されている補酵素の一種。そのため、IC認証取得には意外性も感じるが、日本よりも早く市場開拓が進んでいた米国での市場シェアは「脳機能とスポーツで半々くらい」と三菱ガス化学のライフサイエンス部は話す。エネルギー産生に関わるミトコンドリアを増やす働きが確認されているためだ。

 同社では今後、IC認証をテコに、米国スポーツサプリ市場でのさらなる需要拡大を図る。
 と同時に、ここにきて日本でも「ミトコンドリア産生機能に着目した最終製品を検討したい意向が強まりつつある」(同)状況のため、IC認証を根拠に品質の高さや安全性を訴求し、アスリートから一般消費者まで「安心・安全」に摂取できる原材料として市場にアピールする。

 日本ではまた、PQQを機能性関与成分とし、運動パフォーマンス向上を訴求する機能性表示食品の実現を目指す。今後、新規の臨床試験を実施するなどして対応したい考え。

 これにより、脳機能と運動機能を両輪にした市場開拓を推進していく方針だ。同社によると、脳機能を訴求する機能性表示食品については、すでに消費者庁に届出資料が提出されているという。

 PQQは、13年の食薬区分の一部改正で、専ら非医薬品リストに新規収載された成分。それより以前にBioPQQの販売を米国で始めていた三菱ガス化学が食薬区分の照会を行った。BioPQQは、米国のNDI(New Dietary Ingredient)に登録されているほか、GRAS認証も取得。今後、欧州のノーベルフードの認可取得も視野に入れる。


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