徳之島シマアザミ 島内に一次加工工場開所 (2018.4.26)
鹿児島県の徳之島町は、島内の生産組合が栽培する健康食品向け原料「シマアザミ(向春草)」の1次加工工場「徳之島町機能性植物加工センター」を竣工、21日に開所式を開いた。島内に初の加工施設ができたことで、生産量と効率の向上を見込む。
センターは徳之島の食品加工センター(母間加工センター)敷地内に建設。延床面積214.5平方㍍。工場の運営は、町指定管理者としてヘルシーアイランズ(藤山尚二郎社長)が担う。同社は徳之島を本拠に奄美群島固有のシマアザミを加工した健康食品の開発・販売を手掛ける企業。
ヘルシーアイランズによると、工場の操業はすでに今月頭からスタート。工場建設から稼働までは健康食品受託製造企業の日本ランチェスター工業(兵庫県神戸市)が全面的に協力した。また、同センターで生産する乾燥チップを日本ランチェが買い取り、最終製品に加工し、国内外へOEM供給する。「与那国島モデルを採った」(ヘルシーアイランズ藤山社長)。
シマアザミは、キク科植物の多年草。徳之島産シマアザミには、クロロゲン酸やペクトリナリンの他、オメガ3脂肪酸のαリノレン酸が豊富に含まれることが、琉球大学熱帯生物圏研究センターらの産官学共同研究で分かっている。栽培量の確保が課題と聞いてはいるが、本紙の今年いち押し素材の一つ。
【写真=開所した徳之島町機能性植物加工センターと一部従業員の皆さん(写真提供=ヘルシーアイランズ)】