JACDS 宗像事務総長 早すぎる死去(2018.7.12)

宗像さん④

 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の事務総長で、日本リテイル研究所の代表取締役も務める宗像守さんが6月26日朝、心不全のため亡くなった。享年63歳。

 JACDSが明らかにした。同13日にJACDSが「検査入院で食道がんが発見され、1カ月間集中的に治療を行う」などと公表したばかりだった。9月からの現場復帰が予定されていた。

 葬儀・告別式は、家族の意志により密葬が執り行われた。今月31日、JACDS主催で「お別れの会」を東京・ホテルグランドパレスで執り行う。一般献花は12時からの予定。

 1955年6月生まれ。85年に日本リテイル研究所を設立。以降、ドラッグストア業界の発展に力を注いだ。99年6月にはJACDSを設立し、事務総長として業界を一つにまとめ、強いけん引力でドラッグストア業界の成長に貢献した。JACDSの調べによると、ドラッグストアの国内総店舗数は2017年度で1万9534店、総売上高は6兆8504億円。

 ドラッグストアに関わる法制度の検討会委員などの要職も数多く務めた。特に、09年6月の薬事法改正に伴う登録販売者制度の創設を実現するとともに、薬剤師不在でも第2類・3類の一般用医薬品の販売を可能にした功績が高く評価されている。

 健康食品業界との関係では、16年、機能性表示食品制度に関わる検討会で産業界代表委員を務めた。また、ドラッグストア業界を「10兆円産業」に成長させる施策の一環として、機能性表示食品などヘルスケア食品による「食と健康」新カテゴリー市場の創出を目指し、業界をあげて取り組もうとしていた。

「余人をもって代え難い」
 JACDSは来年6月に迎える設立20周年の記念事業に向けた準備を始めていたところだった。
 その矢先での事務総長の訃報に、JACDS常任理事(執行委員長)でパパス会長の根津孝一氏は6日、JACDS記者意見交換会の場で次のように話し、惜しんだ。

 「業界をまとめてきた。(ドラッグストア業界に関係する)法改正なども彼の馬力だけでやってきたようなところがある。(亡くなるのは)10年早い。もう少しスローダウンし、20年分の仕事を30年かけてやってくれていたら。余人をもって代え難いが、『宗像DNA』を引き継いでいく必要がある。全てを真似することは難しいが、皆でカバーしていきたい」

 また、同じくJACDS常任理事(副会長)でウエルシアホールディングス会長の池野隆光氏は次のように話した。

 「誰も予想していなかったことが起きた。しかし、それが事業の停滞を招くことがあってはならない。元気よく前に進めていきたいと思う。このことが、業界をさらに強くする一歩になればいい。私も全力で支える」

【写真=記者会見で語る宗像 守氏 (2017年12月8日)】


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