ファンケル・業況 池森会長 「サプリの伸び著しい」 (2018.7.26)
ファンケル創業者の池森賢二会長は18日、同社が都内で開いたメディア懇親会で挨拶に立ち、5年前に経営に復帰してからの業績の回復について、「インバウンドに支えられている部分も大きいが、相当な売上につながっている」「国内売上も伸びている」「化粧品よりもサプリの方が著しく伸びてきた」と語り、ここ数年右肩上がりで伸長する好調ぶりをアピールした。
同社の前期業績は、3年前から推進する広告先行成長戦略などにより過去最高の1090億円の売上高を更新した。1000億円の大台は11期ぶりで、化粧品、サプリメント事業ともに売上高が前年を上回った。特にサプリ事業は、前の期の赤字から営業利益をプラスに転じさせるV字回復を見せるなど、業績を大きく引き上げている。
懇親会場では、同社が展開する国内外の化粧品事業の紹介とともに、サプリ事業での注力商品や、認知症予防にも期待できる香りに関するエビデンスデータなどを披露していた。
サプリ事業では、今期戦略として打ち出している高齢社会を見据えたフレイル対策の商品を紹介。すでに販売を始めている大豆イソフラボンの「健骨サポート」、ロイシンの「歩くサプリ」、イチョウ葉の「記憶サポート」といった機能性表示食品に加え、8月からリニューアル発売するフェルラ酸のサプリ、今秋に投入する予定のサケ鼻軟骨由来プロテオグリカンなどを機能性関与成分として、「ひざ関節」に対応する機能性表示食品「楽ひざ」を展開していく計画だ。
また、3月発表の新中期経営計画で掲げた2020年度の販売開始に向けた中国市場のサプリ事業展開についてもパネルで紹介。ECや店舗の小売事業、病院などの予防医療事業、国有企業とのBtoBによる健康増進サービスなど3つの事業領域で展開していく。
同社の業績好調の要因のひとつとして挙げられるインバウンドは、東京・銀座の旗艦店・銀座スクエアはもとより、大阪方面の直営店でも動きは活発化している。店舗・流通関係を統括する山口友近取締役は、「むしろ大阪での引き合いが強まっている」と語るほど。
今月1日付で店舗営業本部を再編し、新業態店舗の構築にも乗り出している。4月下旬に東京・西多摩で1店舗目の営業を実施し、先ごろ岐阜で2店舗目を出店するなど、「今後これら店舗の出店を増やしていく」(山口取締役)考えで、既存店舗のブランディングに活かしていく方針だ。