ユーグレナ、川上市場3社に ケミンが原料市場参入 (2018.8.23)
微細藻類ユーグレナ(ユーグレナ・グラシリス)を使ったサプリメント原材料の供給にケミン・ジャパンが販売代理店を通じて乗り出す。屋外培養ではなく、密閉型プラントで培養する製法を取るもので、ユーグレナに特有のβ‐グルカンの一種、パラミロンを大量に含む。機能性としては、β‐グルカンによる免疫サポート(イミューン・ヘルス)機能を訴求していく方針で、エビデンスの蓄積を進めている。家畜向け飼料としても提案していく。
免疫サポート機能を訴求
ケミン・ジャパンの市場参入により、国内ユーグレナ川上市場(原材料供給など)に展開する企業は、以前から展開しているユーグレナ、神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューションを加えて3社となる。ケミン・ジャパンが取り扱うユーグレナは、プラント培養に伴い、光合成を行わないため、原材料の性状が緑色ではなく黄色を呈す。また、パラミロンが多く含まれる点で、神鋼が生産するユーグレナに近い。
主力の「フローラGLOルテイン」やスペアミント抽出物「ニューメンティクス」などに次ぐ機能性食品素材としてケミン・ジャパンが新たに輸入を始めるのは、プラント培養したユーグレナを乾燥粉末にした「BetaVia Complete」(ベータヴィアコンプリート)。本社の米ケミン社が、昨夏から新製品として米国市場で提案を始めていた。輸入手続きは8月初旬までに完了しており、引き合いに応じて輸入を始める。
米国よりも日本で認知が進んでいると言えるパラミロンについては、含有量を50%以上で規格。他に、20%以上のタンパク質をはじめビタミン・ミネラル、アミノ酸などが含まれるという。米ケミンでは、同じく「BetaVia」シリーズとしてパラミロン含量95%以上品も用意しており、ケミン・ジャパンでも、需要を見ながら日本への輸入を検討する。
「BetaVia」シリーズを製造するのは、米国のダイエタリーサプリメント原材料メーカーで、アスタキサンチンやスピルリナなど微細藻類由来素材も手掛けるヴァレンサ(Valensa)。米ケミンは同社と昨夏、同シリーズの販売に関してパートナーシップ契約を締結。これによりケミンは、製品ラインナップを拡充するとともに免疫サポート市場に進出した。米国のダイエタリーサプリメントや機能性食品の市場でβ‐グルカンといえば、酵母やキノコ由来が一般的だが、微細藻類由来であることを訴求し差別化を図っている。
ケミンの主要事業は二つ。ルテインなどの機能性食品素材のほか、飼料添加物の製造販売も手掛けている。その中で米ケミンでは、ユーグレナについて、各事業を横断する形で幅広く展開できる有力素材と判断。販売に力を入れているという。