コラーゲンペプチド 好調続く市場 新製品も活発 (2018.8.23)

コラーゲンペプチド④

【写真=「パーフェクトアスタコラーゲン パウダー グランドリッチ」】
 
 コラーゲンペプチドを配合した美容サプリメントの新製品を、アサヒグループ食品が27日から全国で発売する。同社の主力美容食品ブランドの一つ、「パーフェクトアスタコラーゲン」シリーズの新製品として投入するもので、ラインナップの拡充を図り、シリーズ全体のさらなる売上拡大を目指す。

 全国のドラッグストアを中心に販売展開する同シリーズの2017年の販売額は、前年比137%(インテージ調べ)と好調に推移しているという。背景には、中国人来日観光客を中心とする旺盛なインバウンド需要もあるとみられる。

 国内コラーゲンペプチド市場は、2011年度以降縮小傾向が続いていたものの、17年度に大きく回復。ニッピや新田ゼラチンなど原材料メーカーが加盟する日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合がまとめた加盟企業6社による17年度のコラーゲンペプチド販売量は、食用や輸出など全用途合わせて5800㌧となり、2001年度の調査開始以来の過去最高記録を叩き出した。

 同組合では伸長要因について、①17年3月に放映されたNHK番組の影響で国内需要が回帰②中国人を中心とした来日観光客によるインバウンド需要③輸出量の大幅増──の3点を挙げている。

 国内コラーゲンペプチド市場では今年、ファンケルが3月に「ディープチャージコラーゲン」(粒、ドリンク、パウダー、ゼリーの4タイプ)を通販や店頭で新発売。売上を好調に推移させている。また、「ザ・コラーゲン」を展開する資生堂も、テレビCMなどを通じた積極的な販促活動を仕掛けている。

 こうした動きを受け、今年度18年度のコラーゲンペプチド市場も、17年度に引き続き好調に推移しているようだ。

 ニッピが8日に発表した2019年3月期第1四半期連結決算では、コラーゲンペプチドを含むゼラチン事業の売上高が前年同期比2.5%の24億8700万円と増加。また、グループ会社が手掛ける最終製品の販売も「新規顧客の獲得、継続購入ともに伸張」したことで拡大しており、「国内外ともに健食市場の活況を背景に好調に推移」したと言う。

 ただ、営業利益は前年同期に対して約40%も減少した。「品薄に伴う原料不足による価格高騰により、製造原価が上昇」(決算短信より引用)したのが要因。同社では明言していないが、不足している原料は、特に、フィッシュコラーゲンペプチドの原料となる淡水魚のウロコや皮だ。

 国内外でコラーゲンペプチドの需要が伸びている一方で、魚由来原料の不足と、それに伴う原材料価格上昇が懸念材料となっている。一方、豚皮や牛皮といった他の原料については、価格の上昇傾向は無視できないものの、少なくとも不足はしていないようだ。アサヒグループ食品の「パーフェクトアスタコラーゲン」では、主に豚皮由来コラーゲンペプチドを採用している。

 27日から同社が販売を始める新製品は、「パーフェクトアスタコラーゲン パウダー グランドリッチ」。1回分7.5㌘あたりにコラーゲンペプチド5.5㌘、プラセンタエキス1.5㌘に加え、新たにアグリコン型大豆イソフラボンを20㍉㌘配合したもの。その他ヒアルロン酸やローヤルゼリーも加え、全16種の成分を配合した。価格は、228㌘(約30日分)入りで2980円(税別)。




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