「尿酸値」訴求 初の受理 被験者 血清尿酸値7㎎/dl以内(2018.9.6)


 尿酸値を下げる働きをヘルスクレームにした機能性表示食品の届出を消費者庁は3日までに受理し、届出情報を公開した。トクホも含めて初の機能性表示。これまでにも複数の企業が届出書類を提出していたが受理されず、現状では届出困難ともみられてきた。今回受理された届出では、機能性に関する科学的根拠論文(最終製品臨床試験)の被験者について、血清尿酸値が7mg/dL以内の人を対象にしている。

 「本品にはアンペロプシン・キトサンが含まれるので、尿酸値が高め(尿酸値6.0~7.0㎎/dl)の方の尿酸値を下げる機能があります」。

 今回受理されたヘルスクレームはこうした内容で、「尿酸サポート」を商品名とするサプリメントを届け出た。届出者はファンケル。

 機能性関与成分のアンペロプシンは、藤茶(Ampelopsis grossedentata)の抽出物に含まれる成分で、フラボノイドの一種。届出論文によると尿酸の合成に関わるキサンチンオキシダーゼ阻害活性を持つ。またキトサンは尿酸の原料となるプリン体の吸収抑制作用を持つとされ、過去、尿酸値が高めの人に訴求するトクホの許可申請が行われた経緯がある。

 「プリン体を含む食事による尿酸値の上昇をやわらげる」。尿酸値を巡っては以前、このようなヘルスクレームの届出が試みられたことがある。しかし、根拠論文の被験者に軽症者(高尿酸血症)が含まれると判断され、受理されなかったといわれる。

 一方、今回受理された届出では、日本痛風・核酸代謝学会が取りまとめた「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)」に、高尿酸血症は「血清尿酸値が7.0㎎/dlを超えるものと定義する」との記載があるとし、臨床試験の被験者を尿酸値が6~7㎎/dl以内の人に限定。また、試験責任医師による検査の上で、疾病に罹患していないと判断された人を対象にしたという。

 受理に至らなかった届出では、血清尿酸値が8㎎/dl近い被験者も含まれていた模様だ。ただ、7㎎/dl台であれば投薬せず生活指導にとどめる場合もあるとされる。そのため、疾病に罹患していないと判断して届け出た可能性がある。

 消費者庁は今年度、軽症者データの取り扱い範囲拡大を視野に入れた検証事業を日本健康・栄養食品協会に委託して進めており、検証対象には「尿酸値」も含まれる。今回の届出受理は、検証結果を待たずに、機能性表示食品の届出における血清尿酸値に関する健常者基準を示した格好といえそうだ。

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