厚労科研費 食薬区分を来年度研究 判断に必要な根拠得る(2018.9.20)
厚生労働省は6日、「平成31年度厚生労働科学研究事業」を公表し、パブリックコメントの受付けを開始した。受付期間は10月5日まで。食薬区分に関する研究など健康食品に関連する項目も盛り込まれている。政府の健康・医療分野に関する研究開発予算は、2015年から国立研究開発法人・日本医療研究開発機構(AMED)に集約されているが、食品・労働安全衛生、化学物質対策、危機管理研究ほか、厚労省が必要と認める研究は、引き続き同省が研究開発を行うことになっている。
「平成31年度厚生労働科学研究事業」の内容は、7月に開催された厚労省の厚生科学審議会科学技術部会で承認、決定されたもの。「行政政策」、「疾病・障害対策」、「健康安全確保総合」の三つの研究分野から構成されている。
このうち健康食品に関連する研究テーマとしては、「医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業」として、食薬区分の「専ら医薬品」における成分本質の判断のための調査・分析及び判断基準に関する研究が盛り込まれた。
使用実態の調査や薬理・毒性の分析を通じ、量的な概念も含めて判断に必要な根拠を得るとしており、研究成果は行政通知に反映させる方向だ。
食薬区分は、昨年11月の規制改革推進会議で、厚労省に事前相談窓口を設置することが検討課題に挙がるなど、新たな成分本質の薬機法上の取り扱いについて、業界から規制合理化、判断の迅速化の要望が示されている。
また、「食品の安全確保推進研究事業」として、健康食品の安全性・有効性情報データベースを活用した安全確保研究が入った。さらに、日本版栄養プロファイルの研究、高齢者向け食事ガイドの作成、介護予防事業のための運動・栄養ガイドラインの研究、運動・身体活動指針の改定に関する研究も追加された。
研究事業の概算要求額は95億5600万円(前年度比15億円増)。