ファーマフーズ 通販売上高 80億円超へ (2018.10.11)
今期(19年7月期)の連結決算で初の売上高100億円突破を目指すファーマフーズ。先月26日、前期決算説明会を都内で開き、今期通販事業の売上高を80億円超まで引き上げる計画を明らかにした。上半期を中心に約50億円を投資し、テレビCMをキー局でも展開するなど積極的な広告宣伝を仕掛ける。その上で、3億2000万円の純利益を確保し、過去最高益も更新したい考えだ。
前の期の連結売上高は79億4300万円。うち通販事業は62億9800万円と8割以上を占める。通販事業の売上高昨対比は82%増。膝関節訴求の「タマゴサミン」を主力とするサプリメント、16年11月に連結子会社化したフューチャーラボが手掛ける化粧品ともに増収を達成しており、サプリは86%増の41億円余りの売上高を計上した。
同社が通販事業を開始したのは12年2月。14年7月期の通販事業売上高は2億円足らず。ここにきて売上高を右肩上がりに伸長させている背景には、積極的な広告宣伝投資がある。前の期は広告宣伝費として計36億円余りを投下。一方で同事業の実質利益は1億3000万円の黒字。17年7月期は約18億円の投資に対して利益は7000万円余りと、広告宣伝投資の拡大と同時に利益を引き上げている。
同社は、年度前半に広告投資を集中させ、後半に収益を上げるビジネスモデルを採用している。その中で、「効果的な顧客獲得、さらに定期購入者の継続率の向上に成功したことで、収益力が強化された」(同社)格好だ。現在の定期顧客数は12万件余りに達しているといい、今期はより大きな広告宣伝投資を行うことで、通販事業売上高を83億円(前期比32%増)まで引き上げる。
一方、GABAの原材料供給など機能性素材事業の今期売上高目標は17億円。前の期は16億円(昨比対30%増)を計上していた。通販事業の売上高目標と比べると控えめな数字といえる。
今期の同事業では、機能性表示食品の機能性関与成分として、難消化性デキストリンに次ぐ届出件数第2位に付けているGABAが、引き続き拡大基調で推移すると同社は予測する。前の期のGABAの売上高は、7億8300万円と昨対比で21%増加していた。またロート製薬の「セノビック」の販売好調などを受け、ボーンペップの売上高が2倍に伸び、2億5200万円を計上している。
同社は他にも複数の素材を取り扱っており、GABAに次ぐ新たな機能性表示対応素材の研究開発も進めているが、今期は両2素材を成長ドライバーに同事業の拡大を図る構え。育毛素材「HGP」の世界市場開拓も強化するという。
なお、もう一つの基幹事業であるバイオメディカル事業(創薬事業)の前期売上高は3600万円にとどまる。他の2事業と比べ売上規模は小さいが、今年7月、関節リウマチ疾患など各種自己免疫疾患に対する有効性が期待できる「抗PAD4抗体」に関する特許権が日本で成立。製薬企業への技術導入に関する提携交渉が大きく進展しそうな話題がここにきて出ている。