日健栄協 届出事前確認7件と低調 (2018.10.25)
日本健康・栄養食品協会(日健栄協)は11日にメディア懇談会を開き、「機能性表示食品の軽症者データの取扱いに関する調査・検討事業」の検討委員など、事業の一部内容を明らかにした。また、5月からスタートした機能性表示食品の届出支援業務のうち「事前確認」に関して、これまで件数が7件に留まっていることも明らかにした。
報告書の作成10月以降着手
検証事業は消費者庁から委託を受けたもので、来年3月まで行う。日健栄協が明らかにした検討会メンバーは、座長の猿田享男・慶應義塾大学名誉教授ほか、秋下雅弘・東京大学大学院教授▽阿部圭一・国立健康栄養研究所所長▽上島弘嗣・滋賀医科大学名誉教授▽上原万里子・東京農業大学大学院農学研究科委員長▽大久保公裕・日本医科大学教授▽外山健二・神奈川県立保健福祉大学教授▽藤森新・帝京大学医学部附属新宿クリニック院長▽宮崎滋・結核予防会総合健診推進センター所長▽山崎壮・実践女子大学教授──の計10名。
主な検討項目は、アレルギー、尿酸、認知機能の3領域の軽症者データの扱い、境界域者を含む健常域者の機能性確認が適切かどうか、軽症者と健常者(境界域者含む)の有意水準、各領域の臨床試験方法──など。
各領域毎にワーキング・グループ(WG)を設置して検討しているが、10月からは各WGの検討結果をベースに、報告書の作成に着手する予定。軽症者の定義に関しては、「まだ議論している」(日健栄協)という。
一方、今年5月から始めた届出書類の「事前確認」の有料サービスについては、これまで大手、中小企業を合わせて7件に留まっていることを明らかにした。「消費者庁によると、書類差し戻しの6割は初歩的な記載ミス。今後は(件数が)増えると思う」(日健栄協事務局)としている。
また、改正食品衛生法で義務付けられたHACCPについては、9月28日に厚生労働省に提出した手引書案の概要を明らかにした。
HACCP手引書公開はまだ先か
案は、HACCPに基づく文書作成と一般衛生管理マニュアル、健康食品GMP認定工場向け手引書から構成され、「健康食品の安全性確保に関する基本的な考え方」が別添されている。
HACCPに基づく文書作成では、健康食品の特性を考慮し、一般食品とは異なる視点で重要管理点(CCP)を抽出し、CCPに対する対応(HACCPプラン)を記した。HACCPプランは健康食品GMPの内容と同じものとしている。
例えば、錠剤編では、CCPとして、原材料の受け入れ、秤量、打錠、金属異物検査を挙げ、それぞれ対応するHACCPプランを記載している。
厚労省は日健栄協から提出された手引書案について、技術検討会を開いて了承、決定するが、日健栄協によると、厚労省検討会の開催日はまだ決まっていないという。