ファンケル 業績好調で中計修正 20年度売上高、1400億円に(2018.11.8)


 ファンケルは、今年3月に発表した2020年までの3カ年の中期経営計画について、今期業績が計画を大幅に上回る見通しから上方修正する。20年度の当初目標1260億円から140億円上乗せの1400億円に引き上げた。営業利益は126億円を180億円に、ROE(自己資本利益率)10%を13.5%と修正した。同社が10月30日、19年3月期第2四半期の業績と合わせ発表した。

 中計見直しの大きな要因となったのが、インバウンド需要による国内売上の大幅な伸張。数値目標の前倒し達成が濃厚となったため、21年度以降に予定していた化粧品・サプリメント工場、物流センターの新設を前倒しで進める。サプリ工場の投資額については今後詰めるが、現状の2~3倍程度の売上増に対応できる工場設備とする予定で、現在候補地を選定している。

 化粧品工場では、現有の千葉工場の隣接地を取得し、19年度下期の稼働を目指す。主力の「マイルドクレンジングオイル」の生産能力を現状の最大2.5倍に拡大させる。投資額は25億円。物流センターは、すでに候補地の選定を終えており、20年度の稼働を目指す。投資額は40億円。

 中計見直しによる増収見込み額の内訳は、化粧品事業が60億円、サプリメント事業が既存事業75億円と新規事業15億円の合わせて90億円としている。既存事業は各種サプリ製品や「えんきん」などのスター製品。新規事業は、来春に予定するパーソナルサプリメントやBtoBビジネスの展開、今月1日から販売開始した中国向け越境ECなど。

 同日発表した19年3月期第2四半期の業績は、売上高が対前年比16.3%増の602億8800万円、経常利益は同86.6%増の71億7200万円の増収増益だった。国内需要の堅調な推移とともにインバウンド需要が寄与した。

 サプリ事業の売上高は同28.9%増の219億7700万円を計上。機能性表示食品「内脂サポート」に加え、「ディープチャージ コラーゲン」「年代別コラーゲン」が好調に推移し増収となった。損益面でも、増収効果により売上総利益が増加するなどし、営業利益は同998.9%増の22億2400万円となった。

 今期より機能性表示食品として販売開始している「内脂サポート」は、期初に目標としていた売上高30億円を、「軽く達成できそう」(決算説明会で語る島田和幸社長)な状況にあるという。


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