小林製薬が届出 クルクミン、認知機能で初の受理 (2018.11.22)
【写真=小林製薬が届け出た表示見本、画像は消費者庁「届出データベース」より引用】
認知機能カテゴリーの機能性表示食品に、新規の機能性関与成分が出てきた。同カテゴリーでは初となるクルクミンの届出が7日までに受理された。届出者は小林製薬。機能性関与成分を含む原材料として、クルクミンの生体内吸収性を特許製法で高めたウコン由来の機能性食品原材料「ロングヴィーダ」に白羽の矢を立てた。この素材は、少量摂取でも機能性を発揮する独自クルクミン素材として、国内外で販売されている。
小林製薬が今回届け出たのは『健脳ヘルプ』というサプリメント。届出データベースで公開された商品パッケージ表示見本によると、年齢とともに低下する「認知機能を維持する」機能性を大きく打ち出しつつ「記憶力」や「注意力」の維持を訴求していく方向だ。届け出た機能性の科学的根拠は機能性関与成分の研究レビュー。
レビューでは、ロングヴィーダ(クルクミン)の摂取に伴う認知機能や気分の改善効果を検証する目的で、海外で健常者(60歳以上85歳まで60名)を対象に実施されたRCT(ランダム化比較試験)研究文献を採用した。
小林製薬による届出はこれで6件目。直近では、同社の〝独自成分〟とも言える「杜仲葉由来ゲニポシド酸」を機能性関与成分にしたサプリメント(杜仲源GX)を届け出ており、機能性表示食品の取り扱いを強化しようとしている様子も窺える。
その中で、認知機能カテゴリーの機能性表示食品は注力分野かもしれない。今回受理された『健脳ヘルプ』を含めて3品目。これまでにイチョウ葉で2件届け出ていた。加えて、同社はいわゆる「物忘れ改善薬」も以前から販売している。このように競合商品を自ら複数取り扱う状況にある中で、「日本初」も訴求可能なクルクミンの認知機能性表示食品の販売をどう展開していくかが注目されそうだ。
一方、今回の届出を受けたロングヴィーダの今後の動きも注目される。これを契機に届出に向けた動きが活発化していくこともありそうだ。
ロングヴィーダは、米カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の神経科学者らが研究開発に携わった経緯があり、摂取後のクルクミンの血中維持濃度を高いレベルで維持することで、脳まで届くといわれる。このため、米国では認知機能に対応するサプリメント原材料としてよく知られるとされ、日本でも以前から一部で高い関心を集めていた。