中国「独身の日」 越境EC、日本トップか (2018.11.22)
報道によると、今年の中国「独身の日」(11月11日)セールは、中国商務省の発表ベースで、取引額が昨年を約2割上回る5兆1千億円以上と過去最高となった。そのうち、越境ECによる国別取引では、昨年に続き日本がトップとなり、輸入商品別では、日本の紙オムツを抑えて、オーストラリアのサプリメントが首位になったようだ。
「独身の日」のセールは、アリババグループが始めたもので、現在は多くのEコマース企業が参加している。今年の「独身の日」の取引額は、中国Eコマース最大手のアリババグループが約3兆5000億円(同社公表数値)、シェア2位の京東集団が約2兆6200億円(同)で、両社でシェアの大半を占めるため、総額では昨年を約2割上回る5兆1千億円以上が確実となった。
報道によると、中国商務省公表ベースで、越境ECによる輸入商品取引額は約5000億円に達し、国別では昨年に続き日本がトップになった。
輸入商品別では、日本企業の紙オムツ製品や生活用品、欧米企業の粉ミルク、韓国、アメリカ企業の化粧品などの「定番」商品が10位以内に入ったが、首位は日本の紙オムツを抑えて、オーストラリア企業のサプリメントブランドとなった模様だ。このほか、オーストラリアと米国企業の健康食品も10位以内に入っているが、日本企業の健康食品は10位以内に入っていないようだ。
「独身の日」での健康食品の人気は高まっているとみられる。日本商品に特化した中国越境EC「ワンドウ」を運営するインアゴーラは14日、中国「独身の日」キャンペーン(11月1日~11日)の取引額を発表し、健康食品が昨年同期比で552%増を記録したことを明らかにした。ただ具体的金額や商品名などは明らかにしていない。
キャンペーン期間中の取引総額は、前年同期比431%増を記録し、商品分野別では、「ファッション」同897%増、「健康食品」552%増、「食品」462%増、「パーソナルケア」535%増、「ライフスタイル」452%増だったという。全分野を合わせた商品販売個数のランキングでは、10位以内までスキンケアや衛生用品などが占めている。
「独身の日」の最近の傾向として、定番の化粧品を除いて、食品やサプリメント・健康食品などの人気が高くなりつつあるようだ。
「独身の日」の市場規模は将来16兆円に達するとの見方もあり、日本の健食業界にとっては、引き続き大きなビジネスチャンスとなりそうだ。海外市場への積極的対応と新たな商品開発が求められよう。