尿酸値、ルテオリンも受理 届出第2号はDHC(2018.12.6)

ファンケル、DHC①

【写真=左:ファンケル『尿酸サポート』  右:DHC『ルテオリン 尿酸ダウン』(画像は届出データベースから)】

 高めの尿酸値を下げる働きを訴求する機能性表示食品の届出で11月28日、制度施行以来2例目となる受理届出情報が公表された。機能性関与成分は最初の届出とは異なり、菊の花抽出物に含まれるフラボノイドの一種、「ルテオリン」を機能性関与成分にしたサプリメント。DHCが最終製品臨床で届け出た。

「食事のプリン体」にも言及
 最初の届出が受理、公表されたのは今年9月。届出書類の確認を行う消費者庁食品表示企画課では現在、機能性の科学的根拠となる被験者の尿酸値の上限が7.0㍉㌘/dL以下であれば、疾病罹患者(高尿酸血症患者)ではないと見なす制度運用を行っていると見て間違いなさそうだ。

 DHCが新たに届け出たのは、『ルテオリン尿酸ダウン』というハードカプセル形状のサプリメント。届け出たヘルスクレームは「尿酸値が高め(5.5㍉㌘/dL超~7.0㍉㌘/dL未満)な男性の尿酸値を下げる機能があります」。主な摂取対象者についても、尿酸値が高めな男性に限定にしている。

 一方、公開された表示見本によると、同品では商品パッケージ正面に、届出表示にない「食事のプリン体が気になる方に」との文言を大きく表示する。消費者庁は届出書類確認時に表示見本も確かめており、DHCは届出資料で「食事のプリン体~」と表示する根拠を説明した。プリン体は尿酸値の上昇に関わる。

 高めの尿酸値を下げると表示する機能性表示食品を最初に届け出たのはファンケルで、『尿酸サポート』というサプリ。アンペロプシン(藤茶エキスに含まれるフラボノイドの一種)およびキトサンの2成分を機能性関与成分とするもので、ヘルスクレームは「尿酸値が高め(尿酸値6.0~7.0㍉㌘/dL)の方の尿酸値を下げる機能があります」。やはり機能性の科学的根拠は最終製品臨床だった。

 両届出に共通しているのは、尿酸値の上限値を7.0㍉㌘/dLにしている点。いずれも根拠にしているのは、尿酸値が7.0㍉㌘/dLを超えた場合に高尿酸血症と診断すると定義づけた、日本痛風・核酸代謝学会による『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』。

 また、両届出とも、尿酸値の範囲は、機能性の科学的根拠として届け出た臨床試験論文の被験者とおおよそ一致している。

 高めの尿酸値を下げる働きを訴求する機能性表示食品の届出を巡っては、焼津水産化学工業がイミダゾールジペプチドの一種、アンセリンに関して臨床試験を実施し、査読付き論文を発表するとともに、研究レビューを用意済み。現在、グループ会社を通じて届出受理を目指している。

今後研究レビューの届出も
 DHCが届け出た『ルテオリン 尿酸ダウン』の届出資料によると、機能性関与成分となったルテオリンを含む菊の花抽出物とは、オリザ油化が製造販売している「菊の花エキス」のことと見て間違いない。機能性の科学的根拠として届け出た臨床試験論文についても、オリザ油化の研究開発本部長が責任者を務めたものとなっている。DHCが今回届け出たサプリメントは、この論文で使われた試験品と事実上同じのものとなるようだ。

 オリザ油化によれば、同社ではすでに研究レビューもまとめている。今回の届出は最終製品臨床によるものだったが、今後、一定の範囲で最終製品の複合素材に幅を持たせられる研究レビューによる届出も受理されれば、届出件数が一気に増加する可能性も出てきそうだ。

 なお、ルテオリンを機能性関与成分にした届出は今回が2例目。先月、同成分を機能性関与成分とする「糖調唐辛子」の届出が生鮮食品カテゴリーで受理されていた。食後血糖値の上昇を抑える機能を表示するもの。

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