ネット通販トラブル増加 国セン注意喚起 (2020.9.24)


 新型コロナウイルス禍で求められるようになった「新しい生活様式」の影響で、インターネット通販を巡るトラブル相談が増加している。国民生活センターが2020年9月17日に注意喚起した。消費者からの相談件数の最も多い商品・サービスは何か。国センによると、「健康食品」という。

 国センの発表によると、20年4~6月期に相談件数が最も多かったネット通販における商品・サービスは「健康食品」。同期相談件数は1万3398件に上り、件数2位の「デジタルコンテンツ」7746件を大きく引き離した。そもそも、健康食品は、新しい生活様式が求められるようになる以前の19年7~9月期以降、ずっと1位を独占。ネット通販に関する相談件数全体のおよそ2割を占めるという。

 また、健康食品のネット通販を巡るトラブル相談で目立つのは、「お試し」「初回無料」を端緒にした定期購入だという。「未成年者のトラブルが目立っていることも特徴」(国セン)で、以下の相談が寄せられている。

 「新型コロナウイルスの影響により臨時休校中で、スマホで動画サイトを見ることが多くなり、動画視聴中に出てきた広告を見てダイエットサプリを申し込んだが、定期購入だった」
 外出自粛による運動不足に伴う体重増加が気になるのは未成年も同じ。また、こんな相談も寄せられた。

 「お小遣いの範囲で買えると思って契約したが、2回目以降に予期せぬ高額請求を受け、支払えない」。詐欺的な定期購入商法では、数万円を請求される場合もあるといわれる。

 予期せぬ健康食品の定期購入契約を巡っては、未成年が国センのADR(裁判外紛争解決手続)を申請する事例まで出ている。

 国センの紛争解決委員会が20年9月10日公表したADRの実施状況によると、ネット通販で購入した健康食品の定期購入に関する紛争が複数あり、「中学生」を申請人とする事案まで発生していた。
 この中学生は、ネットで「〇〇kg痩せた」とするサプリメントの広告を見て、「初回無料」とあったので注文。しかし翌月にまた商品が届き、販売会社に注文していない旨を伝えたものの、「解約できない」と言われ支払った。その後も請求書が届いたが放置。「親にも話すことができなかった」

 その後、請求書が親に発見され、母親を巻き込みながら未成年者であることを理由に請求の取り消しを販売会社に求めた。一方で、この中学生は申込時に成人の成年月日を記入していたため販売会社は請求取消を拒否。そして中学生はADRの申請に至り、国センの仲介委員会が介入。販売会社は「特例的」に未成年者取消しを認め、配送済みの商品を返品することを条件に和解が成立したという。

健食、前月比46%増 6月の都消費生活相談
 東京都が9月10日発表した6月の消費生活相談件数は「健康食品」は152件だった。商品・役務別分類で相談件数第3位。前月に比べて46.2%も増加した。インターネットによる定期購入の相談が増加したことが原因と、都はみている。
 6月の相談件数1位は205件の「商品一般」。第2位は186件の「デジタルコンテンツ」だった。

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