化学合成CBD、日本に 化学構造同じ「天然型」 (2020.11.26)
化学合成により得られたカンナビジオール(CBD)の原材料販売にCBD(横浜市中区)が乗り出す。大麻草に含まれる同物質と化学構造が同一であることを確認しているため「天然型CBD」として打ち出す。
THC検出リスク排除
海外から輸入し、国内の協力企業の向上で再精製(リファイン)を行い、食品向けと化粧品向けの両面から提案する。天然型CBDパウダーの原材料販売、同CBD含有オイルのバルク販売の他、各種最終製品のOEM供給を展開していく計画だ。
同社が11月16日までに明らかにした。新たに原材料販売等を開始するのは、CBD含量を98%以上で規格した合成CBD。大麻草を起原原料とせず、化学合成法により製造することから、大麻取締法で強く規制されるテトラヒドロカンナビノール(THC)が原材料中に含まれる心配がないことを最大の売りにする。
また、製造ロット毎に米国の第三者機関で成分分析を行い、実際にCBD含量が98%以上であることの他、THCが検出されないことを確認する。THC非検出は製品規格にも盛り込む。
同社はCBD関連製品の輸入販売などを目的に昨年設立。大麻取締法の規制対象にならない大麻草の成熟した茎を原料にしたCBDであっても、規制部位の混入やTHC検出のリスクが高いと判断し、化学合成品に着目した。およそ1年前から国内販売に向けた準備を進めていた。
化学合成法により得られたCBDを日本で販売するのは同社が初となる可能性がある。このため、最終製品に加工・製造するOEMメーカー等に対する情報提供などに務める考え。製法を踏まえれば、大麻取締法で規制される大麻草の部位が原料に混入したり、THCが検出されたりする可能性は実質的にゼロと考えられるものの、加工特性にも配慮するなど慎重を期したい考えを示している。
CBD社 差別化素材を拡充
CBD社では、化学合成CBDの他にも、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)含量を80%以上で規格化した粉末品や、大豆由来のスクワランおよびスクワレンの原材料販売・OEM供給も新たに開始する。市場で差別化を図ることのできる独自素材の取り扱いを強化していく一環。
NMN80%以上含有粉末は、NMNと結晶セルロースを混合させることで、打錠適正を高めたもの。NMNは中国から輸入するが、最終加工地は日本となる。打錠でのバルク供給に対応する。同社はもともと、NMN98%以上粉末の販売を手掛けていた。新製品を通じてNMNの原材料販売を加速させる。
また、大豆由来のスクワラン・スクワレンについて同社は「日本で初めての製品」と話す。スクワランやスクワレンの原料としてはサメ肝油が一般的だが、これまでもオリーブ由来など植物由来の原材料製品も一部で流通していた。だが、大豆由来は初とみられる。スクワランは90%以上、スクワレンは80%以上でそれぞれ規格した製品を投入する予定。