食と健康 野菜で勝つ 高まる需要 「機能性」で奪取(2021.2.11)
カゴメ(愛知県名古屋市)は2月4日に開いた2020年12月期決算説明会で「野菜の力で『食と健康』領域での競争に勝ち残る」と宣言した。また、2025年長期ビジョンとして、「トマトの会社から野菜の会社」に転身し、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」ことをめざすとした。
カゴメは2020年12月期決算説明会で、21年度は同社が推進する「野菜をとろうキャンペーン」に全力で取り組むと説明。テレビCMやウェブ動画を通じた情報発信に積極的に取り組み、「野菜需要」をさらに.喚起させる。
「野菜をとろうキャンペーン」は、オムロンやパナソニックなど業種を超えた企業・団体と連携し、「野菜の魅力」を伝えることを目的とするもの。野菜の摂取を通して従業員の健康チェックや、家電による野菜調理の新スタイルの提案などを支援する。昨年7月末から、賛同企業19社と共に取り組みを開始していた。
このキャンペーンや「コロナ禍の影響による健康・巣ごもり需要」などを受けて、カゴメの20年度業績は売上高が増収だったという。「キャンペーンと連動したCMや価値訴求によって需要が喚起され、当社の野菜飲料シェアは57.4%に上昇し(前年度比1.2ポイント増)、量販店やECにおける大型容器の売上が拡大した」としている。
また、同社は説明会で、コロナ禍により、生活者の主な意識・行動に変化が起きたと説明した。コロナ禍による「健康・免疫・衛生意識の向上」などの理由を挙げ、コロナ禍による生活者の行動の変化は「当社にとって日本における野菜摂取量を大きく増加させる機会」と判断したとしている。
その中で、今後の重点的な取組みの一つとして同社は、野菜飲料の習慣飲用化の促進や、新たな植物性素材を使った領域への事業の拡張を図る。前年比108%増の「野菜一日これ一本」シリーズ、同107%増の「野菜生活100」などの好調だった主力商品のリニューアルを推進し、さらに新商品発売も予定している。
機能性表示食品制度も存分に活用していく方向だ。3月16日には、糖の吸収を抑制し、食後の血糖値の上昇を抑えるシリーズ初の機能性表示食品「野菜一日これ一本 プラス」(機能性関与成分=トマト由来食物繊維)、4月6日には、食事の脂肪や糖の吸収を抑える機能性表示食品「野菜生活100 ケアプラス ベリー・ざくろミックス」(同=ターミナリアベリリカ果実由来没食子酸)を新発売する。
【写真=左:山口聡代表取締役社長 右:「野菜一日これ一本」シリーズ、「野菜生活100」シリーズから機能性表示食品を発売。野菜摂取による健康面での強いアピールを図る】