高純度ルテイン+オメガ3 オムニカら開発(2021.2.25)


 マリーゴールド由来高純度ルテインの製造および原材料販売を手掛けるオムニカ(静岡県裾野市)が、国内サプリメント受託製造企業と協業し、新たなルテイン製剤を開発した。ルテインをオメガ3脂肪酸含有精製魚油で懸濁し、各成分を一定の割合でソフトカプセルに充填したもの。これにより、ルテインに加えてDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)の3成分を機能性関与成分にすると同時に、3つの機能を一度に表示できる、従来になかった機能性表示食品の開発を実現した。今後、同受託製造企業と連携し、同製剤を活用した機能性表示食品の届出サポートを進める。

すでに届出実績
 サプリメントの原材料としてのルテインは通常、マリーゴールドから得られたルテイン結晶を、酸化防止のためにコーン油等の植物性油脂で懸濁した状態で流通される。一方、オムニカらは、植物油ではなく、オメガ3含有精製魚油を懸濁液として利用できる技術を新たに開発。これを活用し、高純度ルテイン、DHA、EPAの3成分のみで内容物を構成するソフトカプセル製剤を実現した。オムニカでは、「オメガ3で懸濁させたルテインは世界初とみられる」と話す。

 同製剤について、機能性表示食品としての届出も行った。サプリメントの販売や輸出などを手掛ける基理(東京都北区)による届出が2月10日に公開。DHA、EPA、ルテインの3つを機能性関与成分にしたもので、各成分のシステマティックレビューに基づき、トリプル・ヘルスクレームを行う。届出表示は次の通り。

 「本品にはDHA・EPAとルテインが含まれます。DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています」

 「また、DHAには、中高年の認知機能の一部である、日常生活における数に関する情報の記憶と数・ことばに関する情報の判断や読み書きをサポートする機能があることが報告されています」
 「ルテインは眼の黄斑色素量を高める働きがあり、ブルーライトなどの光の刺激から眼を守り、かすみやぼやけ(コントラスト感度)の改善によって、視覚機能を維持する機能が報告されています」

 新たなルテイン製剤は、1日3粒摂取することで、ルテインを12㍉㌘、DHAを480㍉㌘、EPAを40㍉㌘それぞれ摂取できる。今回届け出された商品の仕様もそれに準じており、オムニカらは今後、同様の設計の機能性表示食品の届出サポートを進める。オメガ3脂肪酸含有精製魚油で懸濁させた新たなルテイン原材料は、トリプル機能性表示食品「専用」の国産素材として売り込む方針だ。

国内工場で生産
 オムニカは、ルテインの原材料販売で国内大手。メキシコで栽培されたマリーゴールドの花から得られた高純度(75%)ルテイン結晶を、同社の原材料GMP工場(静岡県裾野市)で懸濁ルテインとして生産。機能性表示食品制度に対応できるルテインの供給、届出サポートでも多くの実績がある。

 機能性研究については、日本人健常者対象のRCT(ランダム化比較試験)を実施。昨年9月、査読付海外学術誌「Nutrients」に論文が掲載された。ルテイン単体を1日あたり12㍉㌘、4カ月間継続摂取すると、プラセボ群に比べて眼の黄斑色素量が有意に高まるとともに、視機能にかかわるコントラスト感度とグレア感度が有意に改善されたと報告。試験には、オムニカで原材料供給する高純度ルテイン『HiFil(ハイフィル)』を使用した。

Clip to Evernote

ページトップ