パラミロン高含有ユーグレナ 原材料市場へ (2021.3.25)

神鋼環境合体①

 神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)が機能性食品の原材料市場に参入する。これまで、主に最終製品販売を展開してきた独自ユーグレナ株について、BtoBの原材料販売を本格化させる。同素材には、免疫に関係する疲労感の軽減機能が確認されており、新型コロナ禍の収束時期が未だ見通せない中、今後、さらにニーズが高まると判断。外部に幅広く提供していくことにした。同素材を活用した機能性表示食品の届出サポートも手掛ける。

「機能性」届出サポートも
 神鋼環境ソリューションは3月16日、独自に開発したパラミロン高含有ユーグレナグラシリスEOD‐1株の原材料販売を、同日から本格的に始めると発表した。消費者らとのコミュニケーションのために、「元気スイッチ」を旗印にしたロゴマークも新たに用意。機能性食品素材としてのブランド構築を進めていく狙いだ。

 原材料の販売先に対する制限は特に設けない。ただし、個別案件ごとに、最終製品への配合量などについて、合意を得られる先との取引を予定しているという。

 パラミロンは、β‐1,3‐グルカンの一種。神鋼環境が原材料販売を始めたユーグレナグラシリスEOD‐1株には、パラミロンが70%以上含まれる。一般的に知られるユーグレナ株と比べてパラミロン含有量が顕著に多いのが特長だ。

 同社は2017年、ユーレナグラシリスEOD‐1株の上市とともに健康食品市場へ初参入していた。
 これまでは、子会社の健康食品販売会社「ミカレア」を通じた最終製品販売を主に展開。原材料販売についても一部で限定的に行っていたが、新規の取引には原則応じていなかった。

 その中での原材料販売の本格化は、同素材を巡るビジネスモデルが大きく転換されたことを意味する。今後のユーグレナ市場に、小さくない影響を与えることになりそうだ。

 同社は、パラミロン高含有ユーグレナグラシリスEOD‐1株の原材料販売にあたり、機能性表示食品の届出サポートも併せて展開していく考えだ。ミカレアを通じて既に届出実績もつくってある。

 機能性関与成分となるのは、ユーグレナグラシリスEOD‐1株由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)。これまでに2件の届出を実施しており、届出表示はそれぞれ「日常生活の身体的疲労感を軽減する機能があります」「日常生活の一時的な精神的・身体的疲労感を軽減する機能があります」。

 いずれも最終製品の臨床試験を届け出たものだが、機能性表示食品の届出サポートにあたっては、研究レビューを提供する。

 一連の機能性の作用メカニズムとしては、パラミロンの免疫維持機能が関わっていると考えられている。これまでの研究で、パラミロンの継続摂取によって免疫物質の分泌量が増加することが確認されている。

【写真=上:原材料供給するパラミロン高含有ユーグレナグラシリスEOD‐1株のパウダー、下:ブランド構築を図るためのロゴマーク】



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