JADMA月次調査 2020年度をふり返る (2021.5.13)


通販 コロナ下で売上増 健康食品、10カ月連続増を記録 化粧品も伸長 店頭販売と温度差
 日本通信販売協会(JADMA)が5月6日公表した2021年3月の通販売上高調査結果によると、健康食品の売上高は144億9800万円だった。前年同月比は8.5%の増加。プラスは10カ月連続となる。2020年4月~21年3月の12カ月間の売上高を合算すると、1712億3100万円。前年の同じ期間と比べて7.6%増加した。新型コロナウイルス下で健康食品の需要が通信販売チャネルで大きく伸びたことを裏付ける結果となった。

 調査対象企業は、JADMA会員企業の約130社。20年4月から21年3月までの間、健康食品の売上高が前年同月を割り込んだのは5月の1度のみで、年間を通じて増加基調で推移した。2ケタ増を記録した月も目立った。

 この1年間で最大の売上高を記録したのは、20年11月の157億7700万円。翌12月も150億円台を記録した。最低売上高は、前年同月比6.3%減で唯一のマイナスとなった5月の130億1300万円。年間を通じた平均売上高は約143億円だった。

 全ての商品カテゴリーの売上高を合わせた総売上高の推移を見ても、新型コロナ下で通販需要が大きく増加したことがうかがわれる。

 3月の総売上高は、前年同月比4.2%増の1207億8100万円となり、プラスは6カ月連続。9月は4.9%の減少だったが、前年10月の消費増税に伴う駆け込み需要の反動を受けたものとみられる。同月を除けば、20年4月~21年3月は全ての月でプラスを記録した。

 化粧品の売上高も好調に推移した。20年4月~21年3月の売上高を合計すると1919億7700万円で、前年同期比は3.3%のプラスだった。売上高が前年同月の下回ったのは9月のみ。その他の月は全て増加し、6月と10月は2ケタ増を記録した。

 新型コロナ禍で外出の機会が減少したことなどを受けて化粧品の需要は低下したといわれる。
 実際、経済産業省が毎月取りまとめている商業動態統計でドラッグストアにおける化粧品など「ビューティケア」の販売額は、21年3月まで13か月連続で前年同月を割り込んだ。

 新型コロナ禍で、訪日外国人観光客によるインバウンド消費が吹き飛んだ影響を大きく受けたと推測できるが、化粧品の購買チャネルが、外出が必要な店頭から、在宅で購入できる通販にシフトした可能性も考えられる。



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