対象成分など巡り意見割れる 機能性表示の検討会(2014.6.12)

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 消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」(松澤佑次座長・大阪大学名誉教授)が5月30日に開催され、前回に続き機能性の表示の要件などが議論された。同庁案をたたき台に議論が進められたが、特に活発に議論されたのが同庁対応方針案の対象成分と機能性表示の範囲について。成分の測定ができないエキスなどが対象にならない可能性が浮上したことや、身体の部位表示に同庁から難色が示されたことに産業界の委員が反発。制度の根幹に関わる部分であるため、突っ込んだやり取りとなった。

 新制度の対象成分は、前回会合で同庁から、「直接的又は間接的に定量可能な成分」とするが、食事摂取基準で摂取基準があるビタミンやミネラルなどの栄養成分は対象外としている。この日はさらに、同庁から成分の具体例として、成分測定が可能なものとしてキシリトール、また主要成分が測定可能なものとしてサーデンペプチドが例として示された。成分が特定できないものは対象にしない。

 一方、これについて産業界代表の関口洋一委員や宮島和美委員が反論。関口氏はGMPで品質を担保することで、特異的成分の定量が困難なノコギリヤシや食物繊維、プロテインなども対象になると指摘。宮島氏も成分の範囲を広く取ることで、多くの製品を制度に取り込むべきだと主張した。ただ、学識経験者の委員からは、成分が定量できない場合、品質保証ができないなどと主張、消費者などの委員も同庁案に賛同し、産業界と消費者・学識経験者で意見が割れた。

 また、表示範囲についても、産業界委員から身体の部位を含めるよう提案。これに対し同庁は現行の法制度を見直さないことを前提に「医と食の境界は変わらない。食品で表示できる限界は特定保健用食品(トクホ)まで」(竹田食品表示企画課長)と語り、身体の部位に関する表示は一部トクホで認められているもの以外は難しいとの見解を示した。ただ、これには消費者代表の森田満樹委員も「安全性も機能性もこれだけ厳しいハードルを設けており、トクホとは違う表現でないと、健康食品の健全化が図れない」などと語り、部位の表示を認めるよう助け船を出した。

 これらについては次回(6月26日)会合で再度議論する。関口委員は、海外で実際に表示されている事例などを収集し資料提出する予定。

 このほか、同庁が新たに示した対象成分の作用機序や作用動態の実証の必要性については、委員から作用動態の解明は難しいとの意見があり、文言が修正される可能性が浮上した。また、対象者から未成年者や妊産婦などを外す同庁案に対し、生鮮食品や加工食品の摂取が控えられるとの懸念が一部委員から伝えられ、これについても修正される可能性がある。

 なお、この日の会合では国の関与のあり方に関する同庁の対応方針案も示された。案によれば、新制度では販売前の定められた期日までに安全性や有効性を含む製品情報を同庁に届出る事前届出制を採用する。また、新制度の表示については、食品表示法に基づく食品表示基準に規定するとし、根拠法が食品表示法であることを正式に示した。併せて罰則規定も同法が適用されることになる。ただ、これらについては時間が限られたため、次回会合で議論する。
【写真は、産業界代表の関口洋一委員と、宮島和美委員(右)】

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