機能性関与成分(機能性表示食品)としてのクルクミンについて、膝関節領域のヘルスクレームを行うとする届出があり、9月29日に公開された。これまでに10件超の届出があるクルクミンのヘルスクレームは肝機能領域と認知機能領域の2機能に大別され、膝関節領域は今回が初めて。原材料事業者のOctroll(オクトロール、神戸市中央区)が届け出た。
骨の健康維持増進に有効な栄養素・ビタミンK2(メナキノン)。この栄養素は食品から補給でき、動物性食品にはメナキノン(MK)‐4、発酵食品にはMK‐7がそれぞれ多く含まれることが知られる。そのうち、MK‐4と比べて吸収効率(バイオアベイラビリティ)に優れることが報告されているMK‐7は、特に納豆に多く含まれることで有名だ。勢い、ビタミンK2の補給は「納豆で十分。サプリは不要」論が一定の幅を利かせている。しかし、本当にそうか。
ポリフェノールは吸収されにくいのに様ざまな健康維持増進機能が報告されているのはなぜか──「ポリフェノール・パラドックス」として知られるそうした矛盾に対するひとつの回答を、丸善製薬(広島県尾道市)が新規開発素材を通じて示す。経口摂取されたポリフェノールの腸内代謝に着目し、ポリフェノールの「活性本体」をあらかじめ摂取できる天然物由来の発酵食品素材を開発した。人それぞれの腸内環境に左右されない形で、ポリフェノールが本来持つ機能性を提供する。
サプリメントの原材料でミトコンドリア産生機能などが報告されているピロロキノリンキノン(PQQ)の継続摂取に伴う認知機能維持・改善効果を検証するRCT(ランダム化プラセボ比較試験)を、PQQの原材料販売を手掛ける龍泉堂(東京都豊島区)が国内で実施、このほど試験結果をまとめた論文が海外の査読付き誌に掲載された。現在、安全性を検証する動物を使った長期摂取試験を海外で、また、ヒトでの過剰摂取試験を国内で進めるとともに、機能性表示食品の機能性関与成分として届出を行える体制構築を進めている。準備が整い次第、最終商品販売会社などへの届出サポートを始める。
ブドウ科ノブドウ属植物で伝承薬的な利用もされてきた「藤茶(とうちゃ)」を起原原料にした食品向け抽出物を、オリザ油化(愛知県一宮市)が新たに開発した。近く上市する。内臓脂肪減少や脂肪吸収抑制などといった体重管理機能の他、肝臓ケア機能を訴求する新規素材として打ち出す。体重管理機能については、ヒト試験で有効性を確認。機能性表示食品対応素材として展開していくことも視野に入れている。
味の素(東京都中央区)が、「世界最小の野菜」マンカイを主要素材とする粉末飲料『Mankai(マンカイ)』を先月末に新発売した。同商品を第1弾に、同社は今後、葉野菜マンカイを軸にしたBtoB事業を開始する。
認知機能領域の機能性表示食品としては珍しい、食用キノコ由来成分の需要が今後高まりそうだ。「たもぎ茸」という北海道ではポピュラーな食用キノコの抽出物に含まれる「エルゴチオネイン」という抗酸化機能の強い成分。研究レビュー(SR)を科学的根拠にした機能性表示食品の届出が先ごろ初めて公開されたことで、エルゴチオネイン含有タモギタケ抽出物を独自素材として製造・販売するエル・エスコーポレーション(東京都中央区)が提案を強化している。
目や肌など複数の部位が同時に乾燥する、いわゆる「ドライシンドローム」への対応を念頭に置いたサプリメント・健康食品向け原材料を丸善製薬(広島県尾道市)が上市した。ドライシンドロームをめぐるヒトに対する有効性がRCT(ランダム化比較試験)で実証され、論文発表もされている「エリオジクチオール‐6‐C‐グルコシド」(以下、E6CG)という成分を規格化した植物由来の製品で、目・肌・口の〝うるおい〟を総合的にケアできる機能性表示食品対応素材として打ち出す。
微細藻類の一種、オーランチオキトリウムに含まれる従来知られていなかった物質に、高い生理活性のあることが国内で見出された。経口摂取することで、血糖値が正常化されたり、肌状態を改善させたりする可能性があるという。同物質を機能性関与成分にした機能性表示食品の開発をめざす動きも進んでいる。