ドライアイ改善で論文、新制度に照準 オリザ油化(2014.9.25)
オリザ油化㈱(愛知県一宮市)が機能性表示制度に対応するための取り組みを強めている。これまでは動物試験などによる基礎研究を重視し論文発表してきたが、ここにきて臨床研究を強化。新規開発素材のパイロット臨床試験を論文化し、査読付き海外学術誌に投稿するなどしている。
同社と慶應義塾大学医学部眼科学教室がドライアイ改善作用に関して共同研究を進めているマキベリーエキスのパイロット臨床試験結果をまとめた論文が、このほどイタリアの医学雑誌「パンミネルヴァ・メディカ」9月号に掲載された。
この試験は、ドライアイに対する基礎研究成果を受けて実施。論文では、同社のマキベリーエキス「マキブライト」を1日当たり30㍉㌘または60㍉㌘を1日1回2カ月間摂取すると、摂取前と比べて涙液分泌量が上昇し、ドライアイQOLスコアが改善することを報告した。
被験者は、ドライアイ傾向のある28~60歳男女で、被験者数は30㍉㌘群が7名、60㍉㌘群は6名。今後、慶應大学と連携し、プラセボ群を設定した大規模臨床試験を実施する計画だ。
ほかにも、桜の花エキスや、尿酸値低下作用が確認されている新規素材の菊の花エキスで臨床試験を新たに実施しており、10月に都内で開催される展示会で試験成果の詳細を紹介する。
また、既存素材のエビデンスデータ保有状況を①臨床試験論文が学術誌に掲載されている②論文化はしていないが外部機関で臨床試験を実施している③社内等で小規模のヒトモニター試験を実施しているの3段階に分け、「機能性表示の可能性の高い素材」として同展示会でアピールする計画。市場ニーズを探りながら、今後、エビデンスレベルを高めていくべき素材を選定する考えだ。