トクホ指導要領など近く改正 消費者庁案を了承(2014.9.25)

新開発食品調査部会(HP)

 消費者庁は、特定保健用食品(トクホ)の審査方法の取扱いや許可後の監視指導について定めた指導要領と、申請時の提出資料などについてまとめた留意事項の改正案をまとめた。いずれも2005年2月に厚生労働省が策定して以来の改正となり、17日開催の消費者委員会新開発食品調査部会で審議、了承を得た。近く改正する。

 主にトクホ申請事業者向けとなる留意事項の改正では、申請時に提出する科学的知見の信頼性や客観性を向上させる方策を追加する。中でも試験責任者が承認する試験計画書の作成を新たに盛り込み、被験者数の設定根拠、有効性の評価指標をあらかじめ設定することや、解析方法などの基準設定を求めた。このほか、摂取前及び摂取期間中の食事調査の実施、必要な測定を後観察終了時にも行うこと、科学的知見は適切な条件下で行った試験結果に基づくもので、かつ再現性のあるデータの提出に努めることも求めた。

 一方、コレステロールや血圧、血糖、整腸など代表的な7つの保健用途に関する具体的な試験方法や考え方なども例示した。この試験方法通りなら必ず許可に至るものではないが、既許可品の審査を参考にして作成したものであるため、少なくとも試験レベルの参考にはなるとみられ、審査や許可の迅速化につながる可能性がある。

 各保健用途とも、試験方法や評価指標、対象被験者などについて詳細に例示した。このうち、体脂肪関係の評価指標にインピーダンス法による腹部脂肪面積による評価を新たに加えた。また、食後の血中中性脂肪では、試験方法として現在主流である二重盲検クロスオーバー比較試験に加え、二重盲検並行群間比較試験についても原則可能とすることにしている。

 一方、指導要領の改正では、許可商品が販売される際に、表示部分がわかる写真を同庁に送付することを新規に求める。このほか、関連規定等の改正を受けた修正が行われた。

 同指導要領等の改正は、昨年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」で、トクホ許可申請手続きの合理化、迅速化に向けた改革指示を受けたもの。当初は3月改正を目指していたが、3月19日開催の同部会において同庁提案内容の再検討が決まり、今回再提案するかたちとなった。

 なお、同庁は「特定保健用食品の表示に関するQ&A」についても改正する方針。

【写真は17日開催の消費者委員会新開発食品調査部会】

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