クレモリス菌で腸内細菌叢改善 共同研究などで確認 フジッコ(2013.6.6)


 フジッコ㈱(神戸市中央区)は、武庫川女子大学国際健康開発研究所らとの共同研究で、クレモリス菌FC株の牛乳発酵物に、成人女性の腸内細菌叢パターンと便通の改善作用が確認されたことを発表した。

 これまでは、高齢者を対象にクレモリス菌FC株の牛乳発酵物を摂取してもらったところ、腸内ビフィズス菌占有率が増加することや、排便の改善が報告されていた。

 今回の研究では、同発酵物が成人女性の腸内環境に与える影響について腸内細菌叢全体を網羅的に調べるとともに、クレモリス菌FC株が産生する菌体外多糖「EPS」の影響についても検証した。その結果、同発酵物の摂取により、成人女性の腸内細菌群が特定の菌叢パターンを形成する傾向があること、その腸内細菌群の主要な構成物がビフィズス菌であることを確認。また、被験者の食事内容は食物繊維摂取量が少なく、脂質が占める割合が高い傾向にあったことから、EPSがビフィズス菌の占有率を高めることで、排便量が増加するという見解を示した。

 このほか、同社は独自の研究により、黒大豆ポリフェノールのアルコール代謝促進作用をラットとヒトを対象にした試験で確認した。

 ラットを使った試験では、黒大豆ポリフェノールを1週間摂取させたところ、アルコール投与から10時間後における肝臓中のアルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素の活性が、対照群と比較してともに有意に高い値となり、肝臓のエタノール及びアセトアルデヒド分解能が上昇していることを認めた。

 また、ヒトを対象とした試験では黒大豆ポリフェノールを摂取することで、飲酒から60分後、120分後の血漿中エタノール濃度が対照群と比べて有意に低値となり、アセトアルデヒドは飲酒120分後でも濃度が上昇しなかった。これにより、同社では黒大豆ポリフェノールの摂取により、ラットもヒトもアルコール代謝が促進されたとしている。

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