パプリカからβクリプトキサンチン 理研ビタミン(2014.10.9)
骨粗しょう症リスク低減機能で知られるカロテノイドの一種、βクリプトキサンチンの含有量を規格化したパプリカ(トウガラシ)色素を理研ビタミン㈱(東京都千代田区)が開発し、11月から販売を始める。オイル品のほか、βクリプトの安定性を高め、打錠品などにも配合できるようにしたビーズ品の2製品を用意した。
オイル品は含有量1.5%以上で規格化。このほか総カロテノイド含有量(βクリプト、カプサンチン、βカロテン、ゼアキサンチンなど)も11%以上で規格化しており、マルチカロテノイド原料の側面も持つ製品に仕上げた。
一方、ビーズ品は、同社が技術に強みを持つマイクロカプセル加工を施したもので、これによりβクリプトの安定性向上を実現。最終製品での安定性がネックとなり、とくに打錠品への配合が難しい課題の解消を図った。打錠が主流のグルコサミン製品への配合を可能にすることで、ロコモティブシンドローム対策商材での採用を視野に入れている。
いずれもサンプル原料は現時点で供給可能。販売開始時期についてはオイル品が11月末、ビーズ品は来年2月を予定している。βクリプト原料市場では最後発となることから、市場での価格競争力を高めて提案していく方針だ。
βクリプトは特に温州ミカンに多く含まれることで知られるが、パプリカにも同様に多い。食べ物から摂取すると血中に多く取り込まれ、その血中濃度が高い閉経女性ほど骨粗しょう症リスクが低下することを、日本の「三ケ日町研究」などが報告。農林水産省では、温州ミカンで機能性表示を実現させたい構えを見せている。