ウコンなど機能性報告 認知症サプリ研究会(2014.10.9)
4日、都内会場にて「第11回認知症サプリメント研究会」(代表世話人・順天堂大学大学院医学研究科 田平武氏)が開催された。ウコンやホスファチジルコリン、水素などサプリメントに関する演題が並んだ同会に約70名が参加した。その中で、滋賀医科大学・柳沢大治郎氏はクルクミン誘導体によるAβ凝集抑制効果として、新規に合成したクルクミン誘導体〝Shiga‐Y5〟はアルツハイマー病遺伝子改変マウスにおいて認知機能の改善効果を示したと報告した。
レキオファーマ㈱・横山宗明氏は、クルクミンを慢性軽度ストレスモデルラットに投与すると、うつ様行動の改善、海馬のBDNF産生亢進、血中コルチコステロン濃度上昇抑制を示し、さらにセロトニン、ドーパミンを濃度依存的に上げており、一部の抗うつ薬との併用での効果増強も期待できるとした。また、クルクミンに黒コショウ由来のピペリンを併用すると吸収率向上や作用増強も確認しているという。また、島根大学・橋本道男氏は、DHA・EPA強化ソーセージ(マルハニチロ製)の摂取による無作為抽出二重盲験ヒト介入試験において即時想起記憶や介護者負担度の軽減が示唆されたと報告した。
大阪大学・森下竜一氏は特別講演で登壇。医療機関におけるサプリメント販売について、「8月の通知の通り医療機関でのサプリメント販売は可能だ。米国サプリ市場では30%ともされているドクターズサプリ。今回の規制緩和により市場拡大へ繋がれば」としたうえで、販売は病院等施設内で患者やその家族を対象とするものであり、インターネットによる販売などはできないと注意を促した。
【写真は70名が参加した会場(東京・品川)】