牛乳・乳製品摂取で降圧作用 細井孝之氏ら研究成果(2014.10.9)
牛乳や乳製品を毎日400㌘摂取することで、血圧の低下などメタボリックシンドロームの予防につながる可能性があることが、このほど医療法人財団健康院健康院クリニック副院長の細井孝之氏らの研究で明らかになった。9月25日に都内で開催された一般社団法人Jミルク主催の「メディアミルクセミナー」で明らかにしたもので、成果は日本栄養・食糧学会と日本ビタミン学会が共同編集する英文学術誌「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」の10月発行号に掲載される。
細井氏らは、腹囲85㌢㍍以上などメタボの判断指標に複数該当する非喫煙男性213名を対象にランダム化比較研究を実施。1日400㌘の牛乳・乳製品摂取群と対照群に分け、両群とも適切なエネルギーや栄養素を摂取する食事指導を合わせて行った。介入期間は24週間。
この結果、両群とも食事指導によるエネルギー摂取量の低下が影響し収縮期血圧は下がったが、適正体重と過体重に分けて解析したところ、摂取群で適正体重の人はより顕著な降圧作用が見られた。また、摂取群で適度な運動を行っている人ほど降圧作用が強く出た。
これについて細井氏は「牛乳・乳製品に含まれるカルシウムが、直接あるいは副甲状腺ホルモンに働いて降圧効果を来したのではないか」との見解を示した。
細井氏は、2010年に行われた別の研究で、女性の牛乳・乳製品摂取によるメタボ予防作用が確認されていることも併せて紹介した。
【写真は健康院クリニック副院長の細井孝之氏】