特別用途食品活用や税制優遇で要望書 日健栄協など(2014.10.9)

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 日本健康・栄養食品協会は、病者や乳幼児など特別な用途向けに開発された食品に対し消費者庁が表示を許可している「特別用途食品」について、制度の見直しや税制優遇などを求める要望書を、関係省庁や自民党の税制調査会に提出した。高齢化によるニーズの高まりで、介護や高齢者を対象にした食品は年々拡大傾向にあり、対象食品は現在3000品目以上あるとされている。ただ、特別用途食品の許可数は現在55件(重複があるため品数は52品)にとどまり、制度活用が進んでいないのが現状だ。利用者の経済的な負担も大きく、要望はこれらの解消を目指すものとなっている。

 同協会は昨年7月に日本流動食協会と日本メディカルニュートリション協議会と共同で「特別用途食品制度の活用に関する検討会」を立ち上げ、制度の活用や特別用途食品の周知などについて約1年間検討を重ねてきた。今回の要望はこの検討会報告書に基づく。

 要望は多岐にわたっており、制度を所管する消費者庁には許可基準や試験方法の見直し、医療や介護施設で利用が多い「とろみ調整食品」を新たに特別用途食品として基準化するよう求めた。また、厚生労働省には総合栄養食品(濃厚流動食品)に使用できる添加物に、グルコン酸亜鉛やビオチンなどを追加するよう求めたほか、診療報酬を適用し、加算対象とすることを求めた。

 一方、自民党の税制調査会には、医師や管理栄養士から特別用途食品を使用するよう指導があった場合、医療費控除の対象にすること、財務省には非課税又は軽減税率対象とすることや、医療費控除の対象にすることを求めた。

 特別用途食品は1952年成立の栄養改善法のなかで特殊栄養食品として始まり、91年に現在の特別用途食品に改称された。08年には大規模な改正が行われ、新たに総合栄養食品が加わる一方で、許可数が多かった低ナトリウム食品や組合せ食品が対象から外され、許可数が激減した。

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