固有記号巡る議論が再燃 消費者委員会(2014.10.9)
消費者委員会の食品表示部会が3日に開催され、消費者庁が提案した食品表示法に基づく食品表示基準改正案について審議した。同案では6月に同部会の専門調査会が取りまとめた報告書の内容と一部異なる点があり、部会ではこれを中心に審議。15日に開催する次回会合を経て答申案を取りまとめる。
専門調査会報告書と異なるのは、栄養表示の対象成分や表示の記載方法、添加物の記載方法、製造所固有記号制度などについて。さらに、報告書にはない現行制度からの経過措置期間についても審議対象となった。
特に製造所固有記号制度には多くの時間が割かれた。改正案には専門調査会時にも同庁が提案していた、原則2製造所以上で生産される製品に固有記号の使用を限定することや、消費者への情報提供を義務化するなどの見直し案をそのまま盛り込んでいる。違いは、食品表示基準の対象になっていない業務用食品を改正案の対象から外し、現行のまま固有記号の使用を認めることにした点だが、固有記号を巡っては調査会でも意見が割れていただけに、この日も制度そのものの廃止を主張する委員や、消費者への情報提供を行う体制を整備すれば見直しは必要ないといった様々な意見が出て、結局、意見集約は図れなかった。
一方、経過措置については、容器等の切り替えに時間がかかるとして、加工食品、添加物のすべての表示を5年、生鮮食品は1年6カ月としたことにも反論が相次いだ。特に加工食品等を5年としたことには長すぎるとの意見が多かった。
なお、栄養表示については前回(9月24日)会合で審議され、現行のナトリウムと食塩相当量の記載方法を認める改正案に反対意見が集まり、報告書の通り食塩相当量を先に記載し、その後に括弧書きでナトリウムを表示する方法を採るよう求める意見が多かったほか、義務表示を免除する小規模事業者の対象拡大にも難色を示す意見が多かった。
【写真は10月3日の消費者委員会食品表示部会】