機能性表示「答えるの困難」 東京都の広告講習会(2014.10.9)

01東京都講習会

 東京都福祉保健局は8日、健康食品や化粧品などの企業や広告代理店を対象に「平成26年度医薬品等広告講習会」を都内で開催した。薬事法に基づく広告や表示の留意点について都の担当者が解説し、企業等に適正な広告表示を促す目的から毎年実施している。今年は消費者庁が来年にも制度創設する食品の機能性表示制度に関心が集まるなかの開催で、会場からの質問も多かったが、都は、現時点で薬事法の観点から回答するのは難しいと述べるにとどまった。

 冒頭の挨拶で福祉保健局健康安全部薬事監視担当課長の早乙女芳明氏は「最近の傾向として、インターネットやツイッターを利用した広告が増えている。こういった広告は手軽にできるため、薬事法の認識があまりなく、簡単に広告を出して、結果、不適正、消費者に誤解を与える表現が見受けられ残念」と懸念を伝え、参加者に「しっかりと広告のルールを身に着けて、正しく、そして効果的な広告をしていただきたい」と求めた。

 講習会は、「健康食品」と「医薬部外品・化粧品・医療機器」に分けてそれぞれ薬事法の観点からの留意点や、都に相談があった最近の事例について都の担当者が説明した。

 このうち健康食品については、同法上の不適正表現として、昨年の同講習会でも挙げたロコモティブシンドローム(運動器症候群)を再度取り上げ、「英語表示でも医薬品的効能効果に当たる」と語った。また、最近の相談事例では植物性酵素商品の「代謝を高める」「消化を助ける」「消化促進」といった表現の使用について問い合わせが多いが、これについても医薬品的効能効果に該当するとして表示は不適切だと警告した。

 一方、広告や表示以外では、海外から輸入した原材料に医薬品成分が含まれていた事例が多いとも語り、企業に成分分析による確認や、安全性の確保について十分な対応を取るよう求めた。

 なお、薬事法は11月25日に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に名称変更する予定であることも併せて伝えた。

 講演後に行われた質疑応答では、食品の機能性表示制度についての質問が多数寄せられたが、都の担当者は「現時点では薬事法の観点で答えるのはまだ難しい。(同制度の根拠法である)食品表示法でどのように扱われるべきものなのか内容が明らかになってくれば、薬事法としても今後どのように考えていくのかという方向性が決まってくる。今後の推移の方を見守っていただきたい」と述べるにとどめた。

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