認知高まりを受け、法人化を視野 糖化ストレス研(2014.10.23)
第7回糖化ストレス研究会が、10月18日に東京オペラシティ(東京都渋谷区)にて開催され約90名の研究者、関連企業らが参集した。
講演では、東京大学大学院医学系研究科糖尿病/代謝内科・山内敏正氏が、「2型糖尿病は糖化ストレスが強い生活習慣病の代表」と強調し、運動と同様の効果が期待できる化合物〝アディポロン〟や善玉ホルモンとして注目されるアディポネクチン様の機能をする植物由来〝オスモチン〟等を紹介した。続いて東京大学大学院医学系研究科腎臓内科/内分泌病態学・南学正臣氏が、高血糖や活性酸素により生成したメチルグリオキサール(MGO)による臓器障害について報告。加齢により虚血性心疾患や脳卒中、慢性腎臓病などの低酸素による障害が起こる、この低酸素に対する生体防御因子が、MGOにより活性を失うことが問題とした。
また、公益法人先端医療振興財団先端医療センター・鍋島陽一氏は「老化に関る遺伝子として同定されたKlothoにはαとβタイプが存在し、それぞれコレステロール代謝や脂質代謝恒常性制御因子としての役割が分かりつつある」と解析結果を披露。更にNPO法人日本抗加齢食普及協会・松尾幸造氏が、食材の風味、栄養素を活かすと同時にAGEを産生しない調理法として、低温ロースト法や低温ポワレ法を紹介。「低温調理法も重要だが、やはり美味しく、楽しく食べることが抗老化的には良いのでは」と語った。
代表世話人の同志社大学大学院生命医科学研究科教授・米井嘉一氏は「糖化ストレスの認知の高まりを受け、研究会の参加者も増えてきている。次のステップとして来年は法人化を目指す」とし今後、英文による論文集の編纂などの活動を行っていくと述べた。
【写真は90名の研究者らが集まった会場(東京・渋谷区)】