高ポテンシャル秘めるクリルオイル 三生医薬が提案(2014.10.23)


 DHAやEPAなどオメガ3脂肪酸や、抗酸化作用を持つアスタキサンチンなどメジャー成分を含むクリルオイル。米国など海外を中心に市場化が進み、日本でも関連研究会が立ち上がるなど関心は高まりつつある。このクリルオイルに約9年前から着目し、以来健康食品への配合提案を積極的に進めているのが、健康食品受託の三生医薬㈱(静岡県富士市)だ。同社は得意技術のソフトカプセル化による酸化防止など、素材の機能と同社技術の両面で同素材押し上げに注力する。

 クリルオイルはナンキョクオキアミ由来の抽出物で、含有するDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が、細胞膜を構成するリン脂質と結合したリン脂質結合型であるという特徴がある。リン脂質結合型は魚油由来のトリグリセリド型に比べ吸収性に優れ、また生体利用率が高いため、少量で同等の健康促進作用が期待でき、サプリメントの少量化が図られる。また、オキアミ全体の抽出オイルでもあるため、高い抗酸化作用を持つアスタキサンチンも含有する。

 オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸の一つであり、最新の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、欠乏回避を目的に、男女の年齢別にn‐3系脂肪酸として1日0.7㌘から2.4㌘の目安量が示されている。さらに、消費者庁が栄養機能食品の成分追加候補に挙げ、同庁案通りなら来春にも「皮膚の健康維持を助ける栄養素」の表示が可能となり、必須栄養素としての認知が一層進みそうだ。

 ただ、クリルオイルの機能はこれだけにとどまらない。注目される機能は、変形性関節炎などに対する抗炎症作用、眼精疲労など疲労感軽減、肥満や高脂血症など生活習慣病の予防作用などが研究で明らかになっており、高いポテンシャルを秘めることも同素材の魅力といえる。

 クリルオイルは魚油と違って戻り臭が少ないことを特徴とするが、原料自体に特有の臭いがあり、製品開封時に気になるという声がある。

 三生医薬では原料自体の臭いを気にならない程度に改善する技術を確立しており、臭いの改善を求める顧客の要望に応えている。さらに、クリルオイルの剤形はソフトカプセルがファーストチョイスだが、これについても顧客の要望に応じ、液体充填ハードカプセル、ゼリー、顆粒、錠剤など様々な剤形に対応する。

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